私は初老男である。
先日「ドカベン」が46年の連載を終わると報道された。
このマンガの連載が始まったのは、私が11歳の時である。
ストーリーはこの歳になっても「読んだ部分」はしっかり覚えている。
まあ、土井垣と犬飼小次郎がプロ野球パリーグで対決するところ位までと、最終回の決勝戦だけだけど。
数年前にこの最初のドカベンシリーズを全巻揃えようと思ったことがあった。が・・・。
残念ながら断念した。
もちろん、お金にモノを言わせれば揃えられただろうけれど、そこまでの執念が無かった。
作者の水島新司氏は当年79歳。
現役の漫画家としては、最高齢に近い。
これは私の憶測であるが、彼の作画の能力は若い時よりかなり衰えているはずだ。
当年57歳の私でさえ仕事の時に、若い時の様に手が動かなくなっている自覚がある。
数年前の「あぶさん」の終了の時にも、感じたのだが・・・・。
彼はそろそろ「終わる」ことを考えている気がする。
そして、その「あぶさん」を終わらせるにおいて、印象的な言葉を残している。
「なんとか『連載最長マンガ』を目指していたが・・・。『アレ』があるから無理でしょ・・・。」
その「アレ」とは・・・。
多分、読者の方々も分かっているだろう。
「ゴルゴ13」
のことである。
そのゴルゴ13の最新号(特集ゴルゴ13シリーズ・別冊ビックコミック)を、今回買い忘れるところだった。
最近、コンビニに行っていなかったせいもあるが・・・。
実はこの頃ゴルゴに魅力を感じなくなってきている。
今回の3話「欧州再生(EU自動車戦争)」「白団回顧録」「大麻ビジネス」も、充実はしている。
だが「時代」というモノが、さいとう氏のこだわる「リアリティ」を削ぎつつある気がする。
コンピューター・スマホなどが氾濫する現代において、情報を得ることが容易になったということが「ゴルゴ13」という存在自体を「嘘臭く」してしまいつつある。
先日見た本人出演のテレビ番組でも、その昔は手に入らぬ情報を苦労して手に入れ作画することで「リアリティ」が高まり、ゴルゴ13の存在感を際立たせていると言っていた。
しかし、現在は情報が入りやすい分、アナログ的な「味のあるストーリー」が描きにくくなり何を描いても「嘘臭く」なってしまった。・・・・と感じるのは私だけだろうか・・・?
ゴルゴの連載をまとめた「別冊」シリーズも「No.200」を数える。
さいとうたかを氏は、水島新司氏を上回る81歳。
「最終回は考えてある」というが・・・。
実は、それは「もうすぐ描かれる」なのではないかと思ってしまう。
それは、なによりゴルゴの存在理由が薄れてきていることを、さいとう氏自身が一番理解してきていると思えるからだ。
私がこの200号を買い忘れそうになったのも、そこにある気がしてきている。
今回も最後までお付き合いいただきありがとう。これを読んでいる皆さんも、偉大なるモノの終焉を見極めますように。
May
いよいよマンガの「第一世代」が終わろうとしているんだなぁ・・・。