完全無欠な「もうすぐ前期高齢男」日記

「もうすぐ前期高齢男」に進級「老いの自覚」を中心にUpしていきます。

そんなに悪くなかったけどなぁ・・・。    ~大河ドラマ「平清盛」終わる~

2012年12月26日 | テレビ
私は初老男である。

大河ドラマ「平清盛」が不評のうちに終わった。

期間平均視聴率は12%。

最終回は9.5%だったと言う。


期間視聴率は「史上最低」だったらしい。

私の感想としては・・・


        「そんなに悪くなかった」


                    である。


大河ドラマと言うのは不思議なもので、見る人の感覚の「リトマス試験紙」の感がある。

もっと言えば、テレビと言うもの自体が、その人にとってのリトマス紙だ。


初老男の子供の頃は、テレビは「神聖な」ものだった。

子供同士の話の中心が「ドリフ」であったり「キーハンター」であったり「仮面ライダー」
「ウルトラマン」であったのだから当然である。


今や、情報を収集するツールとしての「テレビ」の役割は、その当時とは比べ物にならないくらいに低くなっている。

視聴率はその昔の視聴率とは別物と考える必要があるだろう。




NHK大河ドラマ「平清盛」の満足度は?というサイトがあったので、アクセスしてみたが、いよいよその「リトマス紙」理論が正しいことに確信を得た。


そこに寄せられたコメントには、私と同じように「悪くなかった」のコメントが、結構頻繁に見つかる。


そして、私と同じように「江」や「天地人」より面白いというコメントも。


そこにはやはり「大河ドラマ」に何を求めるか?が視聴率にかなり影響を及ぼしているといえる。


今回の「平清盛」は「政治ドラマ」だ。

従来の「娯楽超大作時代劇」としての面白さを求めた人には「人間関係がゴチャゴチャしている」とか「画面が汚い」とかが重要な要素として映っただろう。

しかし、内容の「芯」の部分である「武士の世を作ろうとした清盛」の「政治的手腕」を描いたものとしてみれば「汚らしさ」も、ある程度「リアルな表現」に見えるはずである。


大河ドラマを「クリスマ・ケーキ」として鑑賞したい人には「江」や「天地人」「篤姫」の方が「おいしかった」であろう。

そのおいしさは、どちらかと言うと女性脚本家が得意とするところであり、つまりは私の苦手とするところである。


過去のUpを見てもらうとわかるのであるが、そうしたときの大河ドラマを初老男は「良」としていない。

そうした大河ドラマは作り込みが足りなく見えてしまうのだ。まあ、上っ面ばっかり取り繕っているっていうか・・・。


今回の大河では、清盛が「武士の世」というフレーズを繰り返し周りの人間がそれに振り回され右往左往する。

しかし、その周りの人間は清盛が理想とする「武士の世」がどんなものか理解できない。

カリスマ性を発揮し一人突っ走る清盛・・・。

そこに絡む「生涯のライバルであり盟友」である「後白河法皇(松田翔太)」ってのは、かなり良かった。


結局、清盛が成し遂げようとした「武士の世」は完成する寸前で、清盛・平家自身が「武士」でなくなってしまっている。

それこそが、このドラマの「芯」だったように思える。


武士の世を作るために利用した「宮中」に入り、強い気持ちで成し遂げようとした清盛の「理想」は図らずも清盛自身の私欲によって歪められ、他人には「ゴリ押しの我儘」に見えてしまう・・・。


            「驕れる平氏も久しからず」


この平清盛の人生こそが、のちの大河ドラマの王道の「戦国時代の祖」であることを考えれば分かりにくかったとはいえ、今年の大河ドラマは「傑作」だったといえると思う。

・・・ただ、ここ数年の大河の共通点なのだが・・・「主人公の魅力が足りない」・・・なぜなんだろう?


最後に恒例の今回の大河ドラマの一番印象に残ったシーンを挙げておこう。

①平重盛の言う「悲しきかな・・・(中略)忠ならんと欲すれば、孝ならず。孝ならんと欲すれば忠ならず。身体これ極まれり・・・。」涙ながらに清盛に訴える。(第43話「忠と孝のはざまで」)

②伊藤忠清言う「殿、平家はもはや『武門』ではございません・・・殿ご自身が、もはや武士ではございません!」(第47話「宿命の敗北」)

一番と言いながら二つ選んでしまった。

それくらいに、この二つのシーンは感動的だった。

この二つのシーンに白河法皇(伊東四朗)の「物の怪の血じゃ・・・」のシーンを加えれば、今回の大河ドラマ「清盛」のすべてが説明できると思う

・・・やっぱり「良いドラマ」と「ウケるドラマ」は、同じではないなぁ。


今回も最後までお付き合いいただきありがとう。これを読んでいる皆さんも、大河ドラマを最後まで見ることで1年の終わりを実感しますように。


              May

しかし、平重盛役の窪田正孝と伊藤忠清役の藤本隆宏は「NHK好き」する役者だね。でも、こうして「ハマった時」の演技は秀逸!
コメント
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