島便り

スペインはマヨルカ。2004年9月生まれの息子、2009年6月生まれの娘と、島出身のだんなとの4人家族の日々。

しつけ

2009年11月29日 | ひとりごと
生徒から「少し早いけれどクリスマスプレゼント」と、素敵なロウソク立てをもらいました。4つあるということは、きっとアドベントを意識しているのかな。
早速、リビングの暖炉の上に飾りました。


今日はその生徒たちの話題。

何度も書いているのでお分かりかと思いますが、私の生徒たち(新入生が入ったため、今年から16名になりました)は、サックス科です。
私がサックス科所属なのでね。
去年までは12名、すべて男だったのだが、今年めでたく一人女の子が入り、15名のボーイズと1名のガールになったわけです。

彼らの年齢は18歳から上は24歳。
パンツ(パンタロン)はつねに腰より低く、パンツ(下着)は常に見えているし、ピアスは結構あいてるし、靴紐は常に交換(どうやら洋服に合わせて変えているみたい。左右違う色、というのは基本らしい)してるし、いわゆる「いまどき」の若者たち。

が。
とにかく性格がいいんだな。みんな。
性格で選んでいるんじゃないか???と思うくらい粒ぞろいの気持ちいい子たちなのだ。

初めて「この子たちは・・」と感心した出来事は、学校のカフェでみんなでお茶をしているとき。
そのときは昼休み時で、カフェは先生たち、生徒たちでにぎわっていた。
サックス科も、集まってお茶をしていたそのとき、学校の門近くに車が着き、一人の中年の奥様が降りた。
その方は車椅子だった。

その姿は多分、そのときカフェにいたすべての人がガラス張りのカフェから見えていた。

車椅子は明らかに学校方面へ向かってきている・・・というそのとき、うちの科の子たちがダッシュでドアを開けに走り、一人はドアを支え、一人は車椅子のそばへ寄り・・

と、それはほんの数秒の話なのだけれど、なにせその行動が早くて、きっと同じような行動に出る人はたくさんいるだろうけれど、私はその機敏さに驚いた。

何度か演奏のために彼らと一緒に飛行機へ乗ったりバスに乗ったりしているが、いつも彼らはこうである。

こういう行動が瞬時に出るというのは、「ああ、大変そうだな」と思う前に体が動くからなんだよね。当たり前のことだから体がすぐに動く。

うちの科の教授陣はものすごーーーーく挨拶や礼儀作法にうるさいが、こういう行動はその前から体に染み付いているものだと思うので、そうなると彼らのご両親のしつけ、が、素晴らしいのではないか、と思っていた。

生徒たちは本土から来ている子達なので、彼らのご両親に会う機会というのは、私たちが本土へ行ったときか、卒業演奏会などでご両親が聴きにくる機会、これくらいしかないのだけれど、これまで半数近い生徒たちのご両親と対面した。

そして、やっぱり・・・・
子供の好きな分野をのばしてあげようとがんばっている姿を筆頭に、この親からやはり生まれたのが彼らなのね、と納得できる部分が多々ある。そういうのって数分話しているだけで分かるものなのです。

私も人の親なので、そういう姿から学ぶものがたくさんあります。
これから小学校へ入り、だんだん「点数」が付く学業が増え、どこの学校へ入っただの、どこへ就職しただの(スペインにもそういうのはある)そういう話題が増えていくんだろうけれど、息子、娘にのぞむことは、そういうことではなく、サックス科の彼らのように、当たり前のことを当たり前に感じられ、さっと手がのばせるような、そういう暖かい子に育てたいなぁ・・・と

今日は道徳チックな日記になりました。へへへ。

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2 コメント

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Unknown (toshie)
2009-12-02 07:36:16
素敵な生徒さんたちやね~。yukoさんも鼻高いね。
でもわかるわかる。こっちの人ってバスでもベビーカーの乗り降りとか必ずと言っていいほど手伝ってくれるし、若い子でも10歳くらいの小さい子でも、戸を開けて待っててくれる。そういうところ、私もすごく好き。そういう面では、この国で子どもを育ていてよかったと思う。
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Unknown (YUKO)
2009-12-04 22:47:30
Toshieさん

ベビーカーは本当に助かること多いよね。
表参道で、お父さん(外国の人)がベビーカーに子供を乗せてて、地下鉄の駅に入る長い階段の上で途方にくれてて、そのわきをさっさと若い人たちが降りてきり、手を貸したのは、同じく外国人のNadalだった・・・という経験ありです。
この国にはいろんな問題があって、しょっちゅう腹を立てている私ですが、としえさんと同じく、子育てはこの国でよかった・・と思うこと、多いな。
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