雲南、見たり聞いたり感じたり

雲南が中心だった記事から、世界放浪へと拡大中

雲南の特色料理・過橋米線7

2008-11-24 21:28:26 | Weblog
写真は昆明にある「新世界」店の「窖頭」。過橋米線の標準セットを頼むと付いてくる。円錐の底面の直径は5センチほどのかわいらしい形。「あなぐら」という名の通り、円錐をひっくり返すと、窪んでいて、料理の熱を通しやすいようになっている。もともとは中国北方の農村で常食されていた。

【黄色い鶏がら油にはご注意を】
 まゆつばものもあるとはいえ、これらの説に共通しているのは、スープの上層には、具材に火を通すためと、温かさを保つために、分厚く鶏由来の油が層になって浮かんでいること。『新編昆明風物志』(雲南人民出版社、2001年)によると、この油の層があるだけでスープの温度は170度以上に保たれるというから驚きです。

 夫が1982年に初めて昆明で過橋米線を食べたときは、確かにたっぷりと黄色い油が浮いていたそうです。ただ、あまりのおいしさにスープまで一気に飲み干してしまい、翌日、油にあたって腹を下して、さんざんな目にあったとか。

 以来、「こわくて」手を出さなかったそうなのですが、最近、私のススメもあり、忌まわしい記憶を振り切って、久しぶりに注文したところ、あまり油が浮いていないのにびっくりしていました。雲南でもヘルシー志向が高まりにともなって、スープの油の量が変化したのかもしれません。

【もっとも脂っこくない過橋米線店は?】
 私が一番、好きな過橋米線店は、ちょっと高いけれど、薄味ながら塩胡椒が絶妙で、油っこくない昆明市街北西にある昆明動物園(園通山)横にある「新世界美食娯楽市場」の過橋米線です。お茶を頼むにも有料(しかも薄く何度も出した後の緑茶)という、昆明ではあまりみかけないタイプの店ですが、スープを飲んでも、胃にやさしく、それどころか身体がポカポカあたたまって、脂っこくないところが、じつに日本人好みなのです。もちろん地元の人で、いつでも混雑している名店の一つです。

 風邪を引いて寝込んだとき、あの店の過橋米線がほしくなり、とうとう薬を買うよりはとタクシーを飛ばして食べに行ってしまったこともあるほど好みです。

 また、西太后が田舎へ疎開したときに好んで食べて以来、宮廷料理にも加えられたという、トウモロコシの粉を練って蒸し上げた「窖頭(ウオトウ)」という小型のまんじゅうも店の名物の一つで、その自然な甘みがまた、うれしい。

 1階は過橋米線中心の庶民向け(おばあちゃんが連れだって、また孫と一緒に、とほのぼのとした光景が見られます。)、2階は雲南の伝統高級料理も出すフロアとなっています。その上の階には謎の「伊豆温泉」のフロア・・。
 2階にはステージがあり、そこで少数民族の歌と舞踊を昼と夜に大勢の芸人さんによって演じられるサービス付き。好きな人にはよいでしょう。ただし芸については芸人さんの腕前はなかなかだとしても(2時頃行くと、客のいないフロアで熱心に練習していました)、音量が大きくて、マイクの音が割れており、また踊りが本当にどこまで‘伝統的’なのかとつい疑問を持ちたくなる微妙さがあります。

 ほかに、昆明市内には、吉鑫園、建新園、橋香園、仁和園など過橋米線のチェーン店や独立店があり、いずれも大変、人気があります。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする