平成28年6月に環境省 自然環境局 野生生物課から「日本で繁殖するチュウヒ保護の進め方」という資料が公開されているのでその一部を紹介しましょう。<・・・>がその引用
<日本で繁殖しているチュウヒは、早春に越冬地(日本国内や中国南部から東南アジア)から日本国内にある繁殖地に渡来する(越冬地から遠く移動せずに繁殖を行う個体もある)>
<2月下旬にはつがい(以下番)を形成、その後造巣をはじめ、4月下旬に抱卵を開始して抱卵5週間ほどでヒナが孵化する>
<ヒナは孵化後60~75 日齢で親から独り立ちする。チュウヒは基本的に一夫一妻制であるが、各地で一夫二妻の事例が確認されている。繁殖終了後、親鳥と一部の幼鳥は繁殖地から姿を消し、成鳥は越冬地に渡り、幼鳥は分散する>
<越冬地では、ヨシ原等において、多くの場合、越冬のための集団のねぐらを形成するが、一般にチュウヒの生息地、特に営巣場所を公表した場合、カメラマン、観察者等多数の人々が営巣場所の近辺に集合、出入りを繰返し、チュウヒの繁殖を阻害することがある>
<したがって、営巣場所の位置情報や背景から場所が推定できる写真等は、原則として行政機関の自然保護部局等、チュウヒの保護及び保全措置に携わる関係者や研究者以外には非公開とする>
<チュウヒは渡り鳥であるが、海外の越冬地から渡来して日本で繁殖するもの、繁殖地及び越冬地がともに日本にあるものなど、渡りの動態は必ずしも明らかではない>
<また、チュウヒの越冬地・中継地での生態研究も途上である。チュウヒの生態等については、依然情報が不足していることから、今後いっそうの研究が求められる>
<また、チュウヒに関する生息調査等は、幅広い主体によって実施されていることから、それらの調査等によって得られた情報を収集し、有効活用を図ることが求められる>