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南御堂の隣の小橋屋呉服店
大阪の老舗の歴史
/
2007年10月03日 21時46分23秒
江戸期の大阪ガイドブックである1820年に出版された「商人買物独案内」や、1846年出版の「大阪商工銘家集」によれば、三井越後屋(三越)、大丸、岩城升屋、平井小橋屋が大坂を代表する4大呉服商であると書いてある。
1856年出版された浪華名所独案内地図にある小丸のマークが小橋屋
小橋屋は、坐摩神社前の通りにあった古手商(古着商)から身を起こし、宝暦年間(1750~60年頃)に南御堂(江戸期の地図には東御堂とある)南側の通りを挟んだ隣に出店した呉服商である。
今の坐摩神社
1830年創業のそごうの前身も古手商(古着商)であったが、そごうが心斎橋に呉服商として進出したのは、1877年(明治10年)なので、100年以上も先輩格になる老舗であった。
そごう創業者の十合伊兵衛は、いつかは(同じ古着屋からスタートした)小橋屋のようになってやろうと頑張っていたのではなかろうか。
そごう本店は今も健在
小橋屋呉服店はその後、三井、大丸と並び称せられる大店に発展し、店頭の賑わいは、初代長谷川貞信(1809~1879年)の錦絵『浪花百景』にいきいきと描かれている。
安政年間(1854~1860年)に小橋屋を描いた錦絵(右側は南御堂か)
江戸時代の大阪では、小橋屋のしるしが「丸」に「小」だったので「そんなこと言われたら、小橋屋のしるしやがなあ」(小丸=困る)という洒落があったというので、当時は誰でも知っている有名な店であった。
江戸期の地図に載っている小橋屋の南の稲荷社は今もある
1837年、町奉行所の元与力であった大塩平八郎と門人らが起こした大塩平八郎の乱では、大阪市内が焼失したために、大阪の商人がそれぞれ復興見舞金を出しているが、小橋屋は千貫文を寄付した記録が残っている。
稲荷社は、現在難波神社の中にある
当時の職人の月給が6貫文程度とされているので、1貫文を5万円と仮定すれば、現在の価値で5千万円もの寄付をしたことになる。
大阪の4大呉服商の一角を占めていた小橋屋は、岩城升屋と同じように明治になってから店を畳んだようである。
ダイビルと結婚式場
現在、この場所はビジネス街となっていて、ステンレス外装のダイビルと最近できたギリシャ建築風の結婚式場が建っている。
結婚式場(小橋屋跡地)と南御堂(右側)
旧小橋屋呉服店の向い側は鴻池組ビルで、最近このビルも売却され超高層ビルとして建て替えられるようであるが、栄枯盛衰世の習いということか。
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