野鳥・旅行・観光・テニスなど趣味の写真ブログ
ROSSさんの大阪ハクナマタタ



9時15分マンションから地下鉄で西門口駅まで出る。

駅の出口案内に「光孝寺」(グアンシャオスー)方面と書いてあるので、その出口から出てまっすぐ歩けば両側に線香を売る門前町のような通りがあり、歩いて10分の突き当たりが目指すお寺であった。


この寺は前漢時代2100年前の南越王国の王宮があった場所に西暦401年に建てられたと言われており、なるほど周りは古くからの街並みで迷路のようであった。

又、この寺は南宋禅宗の総本山ということで当然その歴史も古く、西暦526~7年にインドから達磨大師、623年に三蔵法師、748年には日本に渡る前の鑑真和上が遭難した海南島から戻る途中に訪れたという記録が残っている。


達磨大師、三蔵法師、鑑真和上という仏教界のスーパースターが3人も訪問したという寺院は日本には絶対に無いし、中国にも他に無いのではと思う。

寺の山門の横で入場券を6元で購入し、阿吽の表情をした山門を守る一対の仁王像を見て、入場する。


全身が極彩色に塗られたこの仁王像は細部の造りが粗雑で、また頭が大きすぎて体のバランスが悪く、東大寺の仁王像のような全体のバランスの取れた重厚さには到底及ばない。

まるで青森のねぶた祭りのハリコの仁王様という雰囲気であった。


こういう歴史的な彫刻もそうであるが、我々が入居する建物や日常使用する製品も中国人と日本人の気質の違いが如実に出ており非常に興味深い。

作品というか製品を全体のバランスを考えて細部までも繊細に造ること所謂、匠の技へのこだわりは日本人の持つ優れた特質であろう。

一方、細部や全体のバランスにはこだわらず見た目が派手で、万里の長城のようにその存在が目立てばよいという大陸的なおおらかさは中国人の特長である。

途中、用を足そうとトイレを探すと、本堂の裏に古い厠があった。

大便器の周りを腰の高さまでの壁で囲っただけで、外から丸見えの便所である。


一度、この中で用を足している人を見たが、腰までの壁の中で、下を向いているので後頭部しか見えず一応顔の表情だけは隠せるようになっていた。

人口の多い中国では、他人をじっくりと観察する人はいないのでこれで良しということなのであろう。

海外からの観光客も大勢訪問する広州で最も有名な寺院のトイレがこの状態である。
境内


ちょっと郊外にでると、今でも中国のトイレは大体こういうものが多いので潔癖な日本人にはかなり厳しい国なのである。



コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )