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ROSSさんの大阪ハクナマタタ



広州市街地を流れる珠江が北から急に東に向きを変えるポイントに、かつて英仏の租界であった沙面という歴史的な場所がある。


休日に沙面に最も近い地下鉄の駅、黄沙駅まで行き、そこからブラリ歩いて向かうことにした。

駅の周囲は未だ区画整理中で雑然としており、歩道と車道の境目が曖昧で段差が多く、車椅子で移動する人のことは全く考慮されていない。

広州で「バリアフリー」という言葉を聞くのは一体いつのことなのであろうか。

駅前にあるバスターミナルの前から広い車道(六二三路)を横断する地下道の入り口を見つけ、50mくらいある地下道を抜けると沙面の堀の前であった。

堀の前から見た沙面


沙面と広州市街地を隔てる堀にかかった橋を渡ると、神戸の旧居留地の建物と良く似た古い建物が大規模にズラと並び、郷愁をかきたてる。

時代の雰囲気を伝える建築群と亜熱帯の古樹銘木を眺めながら、ゆっくりと散歩するのは至福のひと時である。

最近は観光客のために急ピッチで洋館の改修が実施されているようで、新しいコーヒーショップやレストランがいくつもオープンしていた。

建物の多くは1860年頃から1940年頃までに建設されていて、その建設年と最初の持ち主の名前が石のプレートに記入されて掲示されている。



各国の領事館とか大会社、当時の金持ちの個人邸などが今も昔の雰囲気をそのまま残し存在しており、異次元世界に入り込んだようで、不思議な感覚である。

またこの地域一帯は街路樹が皆見事な大木に育っており、その大木にそれぞれ樹齢300年とか200年とかの表示が掲示されている。

樹齢が100年を超えるガジュマルの大木は枝から伸びる気根が幹に複雑に絡み付き老木ならではの重厚な風格を醸し出している。



その外人居留地街の最も奥、珠江の川岸に目当ての中国最高級のホテルといわれているホワイトスワンホテル、正式名「白天鵞(バイティアンエ)賓館(ビングアン)」があった。



このホテルはかつて中国最高とランクされた超高級クラスのホテルであるが、1泊1万円程度から宿泊でき、日本やアメリカの超高級ホテルに比べれば非常に格安である。

しかし工場労働者の月収が1万円程度の中国では庶民には縁のないホテルなのである。

何度か宿泊したホワイトスワンであるが、ホテルロビーの広い窓からは珠江をはさんで対岸の美しい街が見渡せて広州で最も景色の美しい場所ではないかと思う。



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