野鳥・旅行・観光・テニスなど趣味の写真ブログ
ROSSさんの大阪ハクナマタタ




地下鉄農講所駅の南にある広東省博物館は入場料15元、入り口を入ると広大な芝生の広場があり、その奥に郭沫若が書いた広東省博物館という文字が掲示された建物があった。

その芝生の前にはアヘン戦争で使ったという8000斤、3000斤という大砲が展示されていたが、当時8000斤(約4トン)もの巨大な大砲をどうやって運んだのであろうか。


博物館の建物は比較的新しく、冷房も完備していたが、観光コースに組み込まれている広州博物館に比べて見学者が圧倒的に少ない。

1階の展示室には精巧な木の彫刻に金箔を貼った潮州木工細工の展示があり、その見事な作品の質と量とに感心する。

その作品群を見て中国の匠の技もなかなか侮りがたいものがあると認識を新たにした。

次の部屋は、湖南省出土の石器時代から8000年前くらいまでに発掘された石器、土器、象形文字の書かれた甲骨品、青銅器時代の大量の青銅器が圧倒的な分量で展示されている。

その中に、南越王墓博物館にあったのと同じ、王の遺体を蔽う面とそれと一体となった玉石でできた体型の覆いがあったのが興味深かった。


当時の王族を葬るときにはどの地方でも同じような習慣があったのであろうか。

2階には玉の工芸品、広州地方の石器時代から青銅器時代までの出土品が展示されており、中に日本の銅鐸とまったく同じものが銅鐘(どうかね)として展示してあった。

日本の銅鐸の用途は最近では楽器に近いものという学説が有力みたいであるが、我々の受けた古い時代の歴史教育では用途不明の謎の出土品ということであったように記憶している。

確かに銅鐸はどう見ても鐘かベルのような音を出す楽器としか考えられない。

日本の文化はその殆どがこちら中国から伝わってきたという事実を考えると、やはり銅鐸は銅鐘であろう。

3階には明、清の時代の精巧な陶磁器の展示があったが、さすがに本場は違う。

大阪東洋陶磁器美術館の所蔵品を質、量いずれも圧倒する見事な作品が惜しげもなく展示されており、好きな人には興味が尽きないのではないかと思う。


それにしても入場者があまりにも少ない、この博物館の人気の無さは何故なのであろうか。


後から地図を見て知ったのであるが、この博物館の隣に魯迅記念館があり、15元の入場券でそこも見学できたようであるが、そこは又次回の楽しみに残しておこうと思う。


コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )