この「上ル、下ル」とは、御所を起点としている。御所の紫宸殿は南に向いている。
中国の宮殿の作り方「君子南面す」からきているのだそうです。
紫宸殿に向かっていくこと、つまり北へ行くことを「上ル」、反対に紫宸殿に背を向けていくことを「下ル」ということになる。
だから紫宸殿が南に向いていて、左にあるのが左京、右が右京となる。
送り火の大文字の小さい方の「大」を「左大文字」。
大きい方は「右大文字」とは言わない。ただの「大文字」理由はよくわかりません。
江戸時代は、京都に来るのを「上(あが)る」といった。
逆に東京に行くのを「下(さが)る」と言った。
また違う言い方は、京都に行くのを「上洛する」といった。
「こんど(今度)○○さんはいつ上洛しやはるの?」という風に使う。
明治になって天皇さんが東京にお出かけになっているので、東京へ行くのを「上る」。
東京から来るのを「下る」というようになった。
京都人は、いつ天皇さんが京都に帰ってくるかと待っている。
これは本当ですよ。