万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

外国人参政権―民族政党が誕生する?

2010年02月04日 15時33分37秒 | 日本政治
参政権で亀井金融相「民族感情を刺激も」(産経新聞) - goo ニュース
 外国人への地方参政権付与法案には、既に数多くの問題点が指摘されています。この法案にまつわる問題点の一つとして、本日は、”民族政党”の問題を挙げてみたいと思います。

 政党とは私的な集団か、それとも公的な集団か、という論争が長らく続いてきたために、我が国には、政党について包括的に規律する法が存在していません。唯一、政党助成法がありますが、この法律の目的は、助成金の交付についての規定を定めることにあり、政党の設立条件を定めているわけではありません。ちなみに、政党助成法でいう”政党”は、国会の両院で一定数の議席を持つ政党に限定されています。しかしながら、もし、地方レベルとはいえ、外国人にも参政権が付与されるとしますと、外国人の組織が、政党を設立するということが、あり得るのではないかと思うのです(帰化した人を候補者にすれば、事実上、被参政権も可・・・)。例えば、既に民団などが存在していますので、こうした組織は、簡単に”民族政党”に衣替えする可能性があります。しかも、全国レベルの組織ですので、地方といえども、政治に一定の影響力を及ぼすことが予測されるのです。

 民族紛争を経験した諸国や多民族国家のなかには、民族や部族を単位とした政党の設立を憲法で禁じている国もあります。もし、民族集団が政党化すれば、亀井氏が指摘した以上に、政治に民族対立が持ち込まれる可能性が高くなります。やはり、外国人参政権は、内政干渉を呼び込むと共に、政治的な混乱の元になるのではないでしょうか。

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