万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

民主党は利益誘導政治に逆走?

2009年11月26日 17時30分12秒 | 日本政治
道路ほしいなら「民主応援を」副幹事長、陳情の知事らに(朝日新聞) - goo ニュース
 先の衆議院選挙において、自民党が敗北した原因の一つに、民主党が、”むだ”な公共事業の削減を掲げ、政権交代に伴う制度改革の意義を訴えたことがありました。指摘されているとおり、有力政治家を輩出した地方では、採算性を度外視した立派な道路が走っています。

 公共事業を媒介とした利益誘導型の政治からの決別を訴えながら、もし、民主党の副幹事長が、地方自治体の知事に対して民主党の応援を要求したことが事実であるならば、民主党の看板には偽りがあったことになります。しかも、知事に対して、特定の政党への支援を働き掛けたとしますと、公務員が全体の奉仕者であることを定めた憲法第15条に違反しますし、さらに、都道府県庁を巻き込み、地方自治体を挙げて民主党を応援せよ、ということでしたら、地方公務員法第36条の政治的行為の制限にも抵触することになります。

 これでは、政権交代とは名ばかりで、結局、日本国の政治は、民主党政権が誕生しても、何も変わらず、公然と権力乱用まで勧めているように見えます。行政刷新会議が予算削減に躍起になっている傍らで、民主党が自己利益のために、地方の道路予算だけは拡大するとなりますと、多くの国民は、納得しないのではないでしょうか。

 よろしければ、クリックをお願い申し上げます。

にほんブログ村 政治ブログへ
にほんブログ村

この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« カーター元大統領の北朝鮮発... | トップ | 中国の削減目標―国際基準とは... »
最新の画像もっと見る

日本政治」カテゴリの最新記事