万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

竹島ICJ単独提訴は速やかに

2012年11月05日 15時49分29秒 | アジア
ICJ単独提訴 月内に準備完了 竹島問題(産経新聞) - goo ニュース
 本日、日本国政府による竹島問題のICJ単独提訴の準備が、月内に完了する見通しであることが、政府高官の談を通じて明らかとなりました。親韓の民主党政権ですので、途中で提訴をとり止めるのではないかと心配されてきましたが、一先ずは、単独提訴の方針には変更はないようです。

 韓国側は、早速、提訴取りやめを要請してきており、ICJへの提訴は、韓国側にとりましては極めて不利なことは確かです。否、提訴の取りやめを要請したこと自体が、韓国側は、竹島領有に関する正当な根拠がないことを暗に認めたことを意味します。日本側にも、おそらく、日韓国交正常化交渉時の文書も含めて、確固たる勝訴の確信があるのでしょう。ただし、即刻提訴というわけではなく、韓国側の出方を見ながら、時期を見計らって提訴するそうです。大統領や議員達の竹島上陸…などの反日行動を牽制するカードとして、日本国政府は、ICJ単独提訴を温存したいのでしょう。その一方で、対韓カードとして大事に手元に置き過ぎますと、現状固定に陥る危険性もあります。例えば、日本国側が、政治家の上陸や施設の建設の禁止など、カードを切る条件を甘く設定しますと、韓国側が、こうした行動を取らない限り、むしろ、”使えないカード”になってしまうのです。長期的に現状固定ともなれば、韓国側の不法占拠状態が継続され、正当な根拠をもつ日本国側が不利益を蒙ることになります。また、対韓要求にこのカードを使い過ぎますと、韓国国民は、恨み文化と反日思想が染みついていますので、いざ、日本側が、カードを切った時には、ひと悶着が起きそうでもあります。

 何時かは切らなければならないカードなのですから、余計な騒動を起こよりも、このカードは、速やかに切ってしまった方が、さっぱりするのではないかと思うのです。とりわけ、中国の軍事的台頭著しいこの時期に、日本国政府が司法解決の道を示すことは、中国の武力行使を牽制するとともに、国際社会にもプラスの影響を与えるのではないでしょうか。

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2 コメント

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Unknown (ねむ太)
2012-11-05 21:33:07
こんばんは。竹島ICJ提訴やっと決まりましたか。
一時は見送ると言ってみたり・・
WiLLの12月号を読んでいたのですが、竹島・鬱陵島に絡んで第三極とやらが掲げる地方分権・地方主権の欠陥が明らかになってきたように思われます。
拓殖大・教授下條正男氏の論文の中で、安龍福密航事件について触れられている箇所があります。
韓国「東北アジア歴史財団」理事長鄭在貞氏がNHK「領土をめぐる対立の行方」に出演され「日本では竹島を島根県に編入する以前、江戸時代と明治時代に三度、竹島は日本領ではないとしていた」
「したがって、日本による竹島の島根県編入は違法である」
韓国がこの様な主張を繰り返す根拠になっているのが安龍福密航事件です。
1696年6月に鳥取藩に密航し、朝鮮に帰還した安龍福は備辺司(軍事行政機関)の取り調べに対し、鳥取藩主と直接談判して鬱陵島と独島を朝鮮領と認めさせたと供述している。
問題の発端となったのは安龍福密航事件の際、鳥取藩が幕府から鬱陵島は鳥取藩のものか、と問いただされた際、鬱陵島と松島は鳥取藩のものではないと答えたのを日本量ではないと解釈していたのです。
元和四年(1618年)池田光政が鳥取藩に入府する際、鳥取藩の大谷・村川両家が監使として鳥取に来た阿部四郎五郎正之に対して鬱陵島への渡海を願い出た際、幕府が両家に限って鬱陵島への渡海を許していた事実を基にしている。
鬱陵島への渡海は、鳥取藩米子の大谷・村川両家に許可されたもので鳥取藩とは関係がない。
鳥取藩主となった池田光政が鳥取藩を拝領するのは、前年の元和三年のことであり、この時点で鳥取藩の領地は定まっており鬱陵島とは関係がなかったからである。
地方分権や地方主権を実施してしまえば、この様な行き違いによる混乱が起こりやすく、我が国の土地を取得しようとする外国資本に付け入る隙を与えるだけの結果になりかねません。

中国・韓国と呼応した反日勢力やマスコミを見ていると、民主党は大戦終結以後続いてきた太平の眠りを覚ます黒船だったのではないかと思います。素人政治の引き起こす混乱に乗じて日本を屈服させようとする特亜勢力の活動が白日の元に晒され国民が身近いる外国勢力の危険性に気づき自分の故郷や国をもう一度考え、領土領海を守る大切さに目覚め、日本に立ち返り安逸の中で過ごしてきた時間を取り戻そうとする草莽の掘起こそ本来の意味での維新でしょう
どこかの第三極とやらが維新、維新と言っても・・明治維新と辛亥革命を混同し勇ましい言動を繰り返していますが・・
道州制など策なるものは、アメリカの統治システムをそっくりそのままコピーしようとしているだけ・・維新というより異珍ですね

今までは学者なる者が外国の著名な人物や学者の論文を切り貼りし国際標準などと国民を誤導して悦にいっていたのでしょうが、共産主義や左翼などの時代に取り残された勢力の最後の悪あがきにしか見えません。
ネットが広く普及し、著名な学者や外国の偉大な人物なるものが、どのような言動をしどのような思想の持ち主であるかも簡単に知ることができ、改竄された歴史資料も米国公文書館で公開されているものについては、実物を閲覧することも可能ですから。
また、ネットを利用することにより、今までは大学で直接講義を受けるか著作物でしか触れることの出来なかった幅広い分野の思想・哲学を動画サイトなどで直接聞くことができ、ブログを読むことで、書物を補完する情報にも触れることが出来、難しくて理解に苦しむような理論でも、コメントのらんで質問もできます。
学問を志すには本当に良い時代になったものです。(メディアリテラシー)は必要ですが。
エリートを気取っていた残留左翼の終焉も間近になって来ました。
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ねむ太さま (kuranishi masako)
2012-11-05 22:07:20
 コメントをいただきまして、ありがとうございました。
 報道によりますと、ICJへの単独提訴は”準備完了”となるのですが、提訴の時期が定まっておらず、この点、不安材料を残しているようです。韓国からの見送り要請については政府も拒絶したそうですが、民主党政権のことですから、まだまだ安心はできないと思うのです。
 ところで、韓国側が、江戸時代に、日本国が竹島を自国領ではないと認めていたと主張していたことは、知ってはいたのですが、具体的に何のことを言っているのか分からず、これまで、疑問に思ってきました。島根藩の、藩としての回答であったのですね。これまでの疑問が氷解しました。
 先日のNHKのテレビ番組でも、日本国には、数多くの離島がありながら、所属地方自治体が決まっていないものがあると報じていました。また、最近、”島根県の竹島”とか、”沖縄県の尖閣諸島”という言い方も増え、内心、何故、”日本の竹島””日本の尖閣諸島”と呼ばないのか不思議であったのですが、これも、マスコミが、将来的には、日本という国名を消し、地方に分裂させるための意識的な刷り込み作戦であったのかもしれません。
 ネットのお陰で、学問の風通しがよくなることは、素晴らしいことです。自由に学問ができず、情報が遮断されている国は、どこかで進む道を誤るのではないかと思うのです。
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