万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

中国は”証拠隠し”要求よりも自国の尖閣資料の公開を

2015年08月29日 15時07分48秒 | アジア
尖閣資料公開に反発=中国
 日本国の外務省が、尖閣諸島が日本領であることを証明する資料をホームページで公開したところ、中国外務省は、これを挑発行為と見なして反発を強めております。

 中国外務省の華春瑩副報道局長は、日本国に対して「歴史を直視し、事実を尊重し、中国の領土主権を損なう一切の挑発的行動を停止するよう促す」と述べて資料公開の停止を求めておりますが、尖閣諸島が日本領となった経緯を証拠を以って示すことこそ、”歴史を直視し、事実を尊重”する行為となるはずです。歴史上の事実は、証拠を以ってしか確認することができないからです。ですから、中国の主張に納得する人もなく、誰にでも分かる論理破綻は、逆に、中国の目的が、尖閣諸島日本領の”証拠隠し”であることを強く印象付けています。仮に、中国が、なおも尖閣諸島が中国領であると主張するならば、威圧的な態度で”証拠隠し”を求めるのではなく、自らの外務省ホームページで、自国が保有している尖閣諸島関係の資料を外国語訳を付けて公開すべきです。それができないのであるならば、日本国のみならず、国際社会もまた、中国が、歴史的、並びに、法的根拠が存在していないにも拘わらず、尖閣諸島の領有を主張していると見なすことでしょう。つまり、中国の尖閣諸島領有の主張は、周辺海域の地下に埋蔵されている資源目当てに日本国から領有権を奪うために練られた謀略であったことが凡そ確定するのです。

 一方、仮に、対抗措置として中国側が自国の尖閣史料を”証拠”としてホーム―ページ上に公開するとしますと、日中両国による”証拠の提出”となり、いわば、司法手続きに近づくことになります。あらゆる諸国が両国の提示した”証拠”にアクセスできる状態となれば、、国際社会も、第三者の立場から”証拠調べ”を行い、どちらの主張が正しいのか判断することもできます。外務省の資料公開合戦は、それが実現するとすれば、司法解決の”前哨戦”となるのではないかと思うのです。

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2 コメント

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Unknown (ねむ太)
2015-08-29 18:50:56
こんにちは。支那にとって歴史とは政治である。
古くから易姓革命が起き王朝が交代してから数代後に美辞麗句で綴られた前王朝の記録を残すのが支那の歴史記述です。
真実よりも王朝の正統性を担保する事が重要なのです。
中華世界においての歴史とは、王朝の歴史は後になって書かれるもの、王朝と関係ない部分は正確に記する。
歴史書に二面性があるのです。
だいぶ前から、我が国の古書店で古い地図や文献を買い漁っていた集団が有ります。
おそらくは中・韓の人間で買い取った古書は処分した可能性が高いと思われます。
最近の古本屋はチェーン店方式で店員もアルバイトばかりで古書の持つ価値などわからない・・買い取るのは新しくて綺麗な本ばかりですので、歴史的な資料となる古地図や古文書は専門の古書店でしか入手出来ない、上に古書は総じて価格が高く、重く場所を取るという事で顧みられなくなり貴重な歴史的文献が次々に失われているのが現状です。
国内でも既に中・韓による歴史抹消工作が行われているのです。
中・韓は焚書坑儒の国である上に、文化大革命で貴重な文献を焚書しており、残されているのは我が国だけというのが現実です。
中国のいうところの尖閣の領有の根拠は明の時代に琉球が朝貢していたというだけです。
尖閣の領有を歴史的事実とする為に沖縄を琉球として独立させようとする動きがあるのです。
アイヌ民族や琉球民族という呼び名は、全て中国の策略と思って差し支えありませんが、頭の足りない左翼は民族自決の名目の元に、まんまと手の平で踊らされている事に気がつかないオメデタイ連中なのです。
チベット人やウイグル人とは違うと理解できず・・・
スラブ民族・ケルト民族と同列に考えてしまう・・
この馬鹿な連中に付ける薬はないものでしょうか・・
尖閣諸島を我が国が領有している事は、中国が1970年に発行した地図でも明らかです。
地図は軍事に関係するものですから政府の承認がなければ発行する事は出来ません。
民間人が勝手に発行する事は許されないのです。
我が国では国土地理院が管轄しています。
中国で発行された地図・・中国共産党が承認したものである事を疑う余地はありません。
自分達で尖閣は日本の領有と認めていながら、後になって自国の領有だとは・・
中国側の出鱈目な主張に同調する左翼が根拠としているのが京都大学名誉教授だった井上清(故人)「尖閣列島」という論文です。
尖閣問題が発生した時、徳教組が教員に配布したビラに使われました。
悪質なのが元外交官・孫崎享氏です。
カイロ宣言・ポツダム宣言・サンフランシスコ講和条約を持ち出し尖閣が中国領の根拠であるかのように言っています。
元外交官という肩書を利用して中国のいう嘘を平気でたれ流す・・・
カイロ宣言には中華人民共和国は参加していませんし、宣言に署名がなされていませんので法的効力はありません。
ポツダム宣言で台灣の返還が求められましたが、履行する前にサンフランシスコ講和条約が締結された為に台灣の帰属先は決まっておらず台湾人に決定権が有ります。
サンフランシスコ講和条約に中国は招待されていませんのでサンフランシスコ講和条約を持ち出すのは論外と言わざるを得ません。
中国側には歴史的にみて証拠となる資料はないのです。
領土問題や慰安婦問題・靖国問題など挙国一致で当たらなければならないのに中・韓の手先となって小細工をする人間が多すぎます。
挙国一致という言葉も死語のような扱いであり、国が一丸となってと言うと・・・独裁だと言い出す馬鹿も居ますので困ったものです。
中国よりも国内の工作員による資料の破棄が重大な問題となって居ます。
歴史的に重要な資料は国会図書館や公文書館などで保管すべきです。
普通の図書館では破棄される可能性が高い・・
図書館の司書にも左翼が数多く入り込んでいます。
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ねむ太さま (kuranishi masako)
2015-08-29 20:45:40
 コメントをいただきまして、ありがとうございました。
 中国が、自らの領有を示す証拠を自国の外務省サイトに公開できなかった時点で、尖閣諸島問題は、半ば勝負がつくことになるのではないかと推察いたします。証拠を出せないわけですから、国際社会も、中国には、何らの根拠もないと判断するでしょうし、仮に、中国が尖閣諸島に対して武力攻撃を仕掛けた場合、それは、即、”侵略”と判断されることでしょう。
 それにしたしましても、領土関連の古文書や地図等は、やはり、政府が収集して厳重に管理すべきなのではないでしょうか。幸いなことに、ネット上では既に証拠となる地図が簡単に入手できますが、やはり、原本には保存と管理が必要です。仮に将来、ICJにおいて裁判となる場合には、提出する必要があるかもしれないのですから。
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