万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

半島有事難民対策は韓国政府の責務では?

2017年04月19日 15時42分20秒 | 国際政治
米、5月に新型迎撃ミサイル発射実験…CNN
 報道によりますと、日本国政府が、朝鮮半島有事に際して想定される難民流入に対する対処策を検討していることについて、韓国政府は、どうした訳か、反発しているそうです。”仮想の状況を前提とし、誤解を招き、平和と安定に不定的な影響を及ぼし得る言及は自制すべきだ”と…。

 同発言は、韓国メディアからの質問への同国外務省報道官の回答としてなされたものですが、この発言は理解に苦しみます。同国では、近年、北朝鮮の強い影響力が観察されており、メディア側の質問も、”全て日本が悪い”という方向への誘導質問であったのでしょう。とは言いますものの、報道官の見解は、あまりにも無責任過ぎる韓国政府の実態を露呈しております。

 そもそも、政府には、国民保護の責任があります。当然に、韓国政府にも、有事に際して最善を尽くして国民を守るの責任があるはずです。ところが、報道官の発言を聞きますと、”仮想の状況を前提とした対策は、危機を煽るので準備してはならない”となり、有事に至って初めて政府は動き出すこととなります。しかしながら、北朝鮮から首都を砲撃される恐れがあるのですから、韓国政府が、即時に国民保護の対策を立案して実行するのは殆ど不可能です。韓国政府が報道官のスタンスと同様に、国民の難民化を防ぐ対策を講じていないとすれば、戦火が広がる中で国民の多くは逃げ惑い、政府から保護措置を受けることなく難民化した韓国民が、大挙して無秩序に日本国に流入するかもしれません。過去の朝鮮戦争でも、韓国政府は、国民保護責任意識と事前の対策の欠落によって、日本国に多大な負担と迷惑をかけております。韓国が事前に対策を講じていれば、日本国は、大量の密入国者という難民問題を抱えなくても済んだはずなのです。

 韓国政府は、日本国政府を批判するよりも、有事に際して自国民が難民化する事態を想定し、難民対策に万全を期すべきではないでしょうか。済州島などに難民避難地区を設けたり、予め、戦火の及ばない遠方の友好国と協定を締結し、難民を一時的に預ける交渉を試みるのも一案です。シリア難民にも言えることですが、難民発生の第一義的原因は、難民の送出し国の無責任さにあると思うのです。

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コメント (2)
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