万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

菊池容疑者逮捕から見える介護制度のリスク

2012年06月06日 15時24分38秒 | 社会
潜伏先で同居の男逮捕=「麻原信じてない」菊地容疑者―逃亡生活全容解明へ・警視庁(時事通信) - goo ニュース
 無差別殺人を容認したオウム真理教の信者であり、指名手配されていた菊池直子容疑者が、先日、遂に逮捕されました。菊池容疑者の供述によれば、潜伏中には、本名を隠して、ホームヘルパーとして働いていそうです。

 訪問介護員(ホームヘルパー)の資格は、都道府県知事の指定した講習を受ければ、誰もが認定を受けられるそうです。おそらく、菊池容疑者もまた、認定制度の下で訪問看護員の資格を得たのでしょうが、誰もが資格を取得できる制度は、思わぬリスクも潜んでいるものです。特に訪問介護となりますと、他者の自宅に合法的に入ることができるのですから、仮に、介護員が、カルト教団の信者であったり、犯罪者であるような場合には、介護サービスを受ける側は、心身ともにリスクに晒されることになります。訪問介護を必要とする人々は、その殆どが高齢者や障害者の方々であり、精神的にも肉体的にも健康な状態ではありませんので、被害を受けやすい状況に置かれることになるのです(高齢者が虐待を受けるといった事例も…)。

 公的な制度でありながら、政府は、こうしたリスクに対して関心を払っておらず、介護を”新産業”と見なし、増員を奨励してきました。一部ではあれ、訪問介護がカルト信者や犯罪者の”巣窟”や”隠れ家”となっては、制度そのものの信頼を損ねますので、本人の身元の確認や情報の公開など、安全性を高めるための措置が必要なのではないでしょうか。

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コメント (5)
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