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万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

リビア和平案―体制選択の国民投票を実施しては

2011年03月04日 14時52分19秒 | 中近東
リビア反体制派が政権側を中部に撃退、和平案に懐疑的な見方(トムソンロイター) - goo ニュース
 ベネズエラのチャペス大統領がリビア情勢についての和平案を提示した、とのニュースが報じられています。チャペス大統領自身が独裁傾向の強い人物ですので、リビアでの独裁体制の延命を狙った仲介である疑いは濃厚です。

 しかも、カダフィ独裁体制では、秘密警察や”親衛隊”が暗躍していますので、安易に和平案に応じると、独裁体制に抵抗する人々が、秘密裏に抹殺される可能性もあります。カダフィ氏は、目的のためなら手段を選びませんので、独裁体制の存続を前提とした和平案では、合意内容がなし崩しになる怖れがあるのです。そこで、もし、和平案を提起するとしたら、それは、対立の究極的な解決策として、国民による体制の自由選択を含むものでなければならないと思うのです。つまり、将来のリビアの国家体制について、全土における国民投票を実施するのです(東部独立案を選択肢とするか、否かも、検討課題…)。もちろん、この国民投票は、政権側の票の操作といった不正や票の買収、あるいは、有形無形の圧力があってはならず、選挙の公正性と国民の選択の自由を保障するために、国際選挙監視団の派遣が必要となるかもしれません。

 常々、カダフィ氏は、”自分は国民から支持され、愛されてている”と広言を吐いていますし、直接民主主義が理想なそうですので、この案に反対する理由はないはずです。和平案は、リビアの未来はリビアの国民が決める、という基本線に沿って提起されるべきあり、独裁体制寄りの和平案には要注意と思うのです。

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コメント (4)
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