万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

福島環境相の吉凶

2009年09月11日 15時19分37秒 | 国際政治
福島氏、厚労相断念し環境相希望 鳩山代表、閣僚人事続ける(共同通信) - goo ニュース
 民主党と連立政権を組んだ社民党の福島党首は、環境相のポストを希望しているそうです。日頃の言動から伺える氏の政治スタイルは、現実を顧みずにひたすらに自己の主張を押し通すというものですが、環境相のポストは、果たして適役なのでしょうか。

 今後、温暖化ガスの削減目標をめぐって、国際社会において交渉が行われる見通しです(本当は、温暖化原因や削減の手法の見直しが必要なのですが・・・)。外交交渉では、合意を形成するために、相手の言い分に耳を傾け、妥協や譲歩を行うなど、歩み寄りが必要になります。この点を考慮しますと、原理原則に固執する福島氏が柔軟な態度を示すことができるのか、疑問なところです。また、一方的に高い削減率を打ち出して、国家権力を振るって、国内の企業や国民に押し付けてくる懸念もあります。その一方で、民主党の鳩山代表が公表した25%削減も、中国とインドの参加を条件としていますので、頑なに削減義務から逃れようとしている中印に対して義務の受け入れを、妥協を許さず、強引に迫るかもしれません。

 福島環境相の誕生には吉凶が入り混じっているようですが、最悪の状況とは、国内においては高い削減率の達成を国民に強いる一方で、中印に対しては、安易に妥協してしまうという展開なのではないでしょうか。
 
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