万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

統制経済の行く末は”国営奴隷制”?

2009年09月22日 15時33分26秒 | 国際経済
年末まで「100日戦闘」=成果強調、実態は不明-北朝鮮(時事通信) - goo ニュース
 長期にわたる統制経済の結果、経済が疲弊した北朝鮮では、生産力の回復を目指してか、”○○日戦闘”のスローガンのもとで、国民が”労働”に総動員されているようです。

 統制経済下における国民の労働インセンティブの低下と負のスパイラルは、既にソ連邦崩壊に際しも主要な要因として指摘されており、北朝鮮の現状も、予測された通りと言えます。ただしかし、ソ連邦は、末期にあって、曲がりなりにも市場経済の導入を模索し、経済改革に着手しましたし、中国もまた、この失敗に学んで、改革開放路線に切り替えました。一方、北朝鮮の対応は、その逆と言えます。働かなくなった国民を、強制労働に動員したのです。この方向性は、統制経済のさらなる強化に他なりません。このことは、統制経済を極限まで推し進めますと、強制労働体制という、”国営奴隷制”が出現することをも示唆しています。

 結局、北朝鮮の”○○日戦闘”は、統制経済の行く先が、”国営奴隷制”であることを露わにするとともに、柔軟性を失ったその末路は、ハード・ランディングとなるのではないか、と思うのです。

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コメント (2)
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