万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

北朝鮮への制裁骨抜きの不思議

2009年04月10日 13時06分39秒 | 国際政治
政府、北朝鮮への追加制裁を決定(朝日新聞) - goo ニュース
 北朝鮮のミサイル発射実験に先立って、日本国政府は、輸出入の全面禁止や北朝鮮人の再入国制限など、厳しい制裁措置を検討していたはずです。しかしながら、いざ蓋を開けてみますと、効果が疑問視されている送金の監視強化のみとなりそうなのです。

 政府の説明よりますと、日本国だけが突出した姿勢を示すと、国際協調が乱れるとのことのようです。しかしながら、ミサイルの脅威を受けた当事国が厳しい制裁措置を取ることは当然のことであって、むしろ、国際社会において突出することの方が自然な対応と言えます。狙い撃つかのように自国の上空を他国のミサイルが飛んでいったにも拘わらず、当事国が、黙って相手国の危険な行為を見過ごすなどあり得ないことなのです。もし、日本国政府の対応が、黙認、あるいは、ミサイルへの屈服のサインと相手国にとられるとしますと、我が国は、今後も北朝鮮からの脅しを受け続けることになりましょう。政府は、脅威を受けた国として、国際社会に制裁強化の理解を求めるべきですし、国民にも態度が軟化した理由をきちんと説明すべきなのではないでしょうか(公表されていない別の理由があるのかも・・・)。

 国際協調を破壊する行為を、国際協調の名の下で許すとするならば、それは、何かひどく間違っているように思えるのです。

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コメント (4)
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