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万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

人権擁護法は監視社会をつくる

2007年10月29日 18時23分10秒 | 日本政治
人権擁護法案 提出の動き再燃 法相意欲 自民党内に警戒感(産経新聞) - goo ニュース

 社会・共産主義下の相互監視体制が、如何に国民相互の信頼を破壊し、人々の絆を断ち無残に切ったか、ということは、今日ではよく知られています。こうした悲惨な体制は、自由主義国とは無縁と考えられてきたのですが、今国会での提出が検討され始めたという”人権擁護法案”には、日本社会を監視社会へと変化させる危険が潜んでいるように思われるのです。

 本法案によりますと、独立的な立場を保障された人権委員会には、立ち入りや押収を行うことができる準警察権力が賦与されています。しかも、申し立てに関する基準は曖昧であって、被害を受けたと主観的に”感じ”さえすれば、一方的に被害申請を行うこともできるのです。これでは、言論の自由は風前の灯となってしまい、もちろん憲法違反ともなりかねません。

 国民が相互に相手の発言をチェックし、全国2万人の人権委員が活動するといった体制が、将来の日本国の姿として望ましいのでしょうか。ふと、フランス革命に際して恐怖政治を敷いたロベスピエールの公安委員会を思い出してしまうのです。

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