草花好きのひとりごと

植物の栽培記録や鉄道・路線バスなどの趣味について記しています。

さくらそうの鑑賞方法と飾り方

2011-12-28 | さくらそうに関するあれこれ
前回、さくらそう(日本桜草)趣味として栽培し、花の咲いた鉢を鑑賞する上で重要な要素となる、鉢の大きさと植え付ける芽の数について記しましたが、今回はそれと関連して鑑賞方法、鉢の飾り方について記してみます。

さくらそう趣味では、花壇というと、屋根と側面背面を囲った小さな小屋の中に棚を設えたもののことを指します。
この花壇、現代では小屋の間口が一間で5段の棚に三十数鉢並べる、という様式が伝統的なものとされていますが、この様式ができ上がったのは明治以降ともいわれています。

しかし、それ以前の江戸時代にも、さくらそうの鉢を屋根の下の棚に並べて飾るという方法はとられていたようです。
菊などにも、風雨を避けて花を長もちさせ、ある程度日射を遮って花を見やすくする工夫(?)として、開花時期に屋根を設置する例があったようなので、さくらそうの鑑賞方法も、そうしたものからヒントを得たか、他の植物用の設備を流用したものから始まったのかもしれません。

しかし、幅が180cm、奥行き150cmといった小屋を一時的とはいえ、庭に設置するのは誰でも容易にできることではありません。
庭にそれだけの空き地があるかということもそうですし、鑑賞に堪える状態の鉢を30以上揃えるとなると、開花時期の違いも考えて少なくともその5倍くらいは栽培する必要があると思われ、それだけの場所が必要となります。

庭で栽培状態のまま花を眺めても良いのですが、様々な花が混在する華やかな景色となるものの、他の品種に埋もれたように見えてしまうものもありますし、よほど高さの高い栽培棚を使っていない限りは上から見下ろす格好になり、横から見ることが難しくなります。

花壇に倣って、鉢と桜草の真横からの姿を見やすい高さの棚に、若干でも間隔をあけて並べれば、より美しく見ることができるのではないかと思います。
しかし、市販されている鉢植えを並べるための棚には、それほど高さのあるものは見かけません。

庭の広さと栽培鉢数に合わせて規模を縮小するとしても、鉢を一つずつ鑑賞するのと全体を見てさくらそうの花色、花型、咲き方の違いを鑑賞することを両立させている花壇の魅力をある程度残したいと考えると、幅一間の花壇のおよそ三分の一の十数鉢は必要になると思います。

狭い場所でもできて、それなりに見た目が良く、それほど高価でもなく、用意するのが難しくない。といった条件に適うものはないものかと、私も数年前から考えてはいるのですが、今のところ良いアイデアは思い浮かんでいません。

自宅では良く咲いてくれた鉢を適当な台や棚に置いて眺める程度にして、本格的な鑑賞は展示会などで、という考え方もあるとは思うのですが、数多くの鉢を並べた品種図鑑的な展示がなされていることが多く、幅1.8mくらいの花壇のようにある程度花の特徴がわかる状態で全体を見渡すことができる、鑑賞にほど良いと思われる展示というのは意外に見かけないように思います。
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