秘境という名の山村から(東祖谷)

にちにちこれこうにち 秘境奥祖谷(東祖谷山)

菜菜子の気ままにエッセイ( もんてきたかえ~2017鶏)

2016年12月24日 | Weblog


祖谷の山里に、
いつもの師走が訪れました。
おばあさんは、お餅を丸めておりました。
おじいさんは、公民館に会合に出かけておりました。
庭先では、老犬ゴンタが、毛布の敷かれた犬小屋で、のんびりと、昼寝をしております。

おじいさんが、帰ったきました。
『ばあさんよぉ、もんたぞ』
「じいさんよ、まっことこのセワシイ時期に、何の会だったんぞよ?」
『いだあ、来年の村長さんの選挙の段取りじゃと~』
「そんちょうさんつか?」
『いだあ、また続いてするんじゃと!ほんで、みなに集まってもろたんじゃと!』

「なんぞ、もろて食べたんかえ?」
『茶菓子食うただけじゃわ!公民館に残っとった茶菓子じゃわ、ばあさんよ、もちは、もう食えるんこ?』
「食うかえ?朝からしよるきん、ようけ出来たぞよ」
『ばあさんよ!!こんがに餅丸めて、どうするんぞ!?寝るくも、ないぞ』
「じいさんよ、ふとい話すなよ、寝るくはあるわの~寝るくないって言うんなら、じいさんは、餅、敷いて寝るかえ~」

『ばあさんの、どくれぐちは治らんのうや~もうちょっとは、かわいげえに言えよ!』
「そんがに言うんなら、かわいげえに言う隣の後家さんの家に通うたらええわ~」
『ばあさんの、どくれぐちは、たいがいに、たったわ、まっこと、今年もジョウジとひでおは
もんてくるんこ?なんぞ、びんあったんこ?』
「仕事休めたら、もんてくるって、いよったわ!しものしの、仕事は、なかなか休めんのじゃの?
正月くらい休めな、体もくそごじゃになるのにのうろ~」

『孫はもどらんでも、ええって言えよ、いそげえな薄い電話ばっかりせついて、圏外になる、圏外になるってなんぞワカランことばっかり、いよったわ
薄い電話の上に指三本拡げたりつまんだりして、あれは何のマジナイなら!?』
「しらんぞよ~孫は小遣いもらう時だけ、かわいげえにいよったわ、今年はあのしら、ふたぁりだけで、戻るんじゃあないんかえ?」
……そして
大晦日。
ジョウジとひでおは、同じような顔を並べて
帰ってきました。
風邪をこじらせたジョウジの腕を、ひでおが支えて車から降りました。
車の中で、風邪をウツサレタひでおも、咳をしていました。
二人は言い争っておりました。
『風邪ひいとんなら、帰らんと松山でおれって、言うただろ~困るんだよね!!』
「そない言われても、祖谷に帰ったら治ると思うたさかい…すまんことしたなあ~」
『おまえらは、また兄弟ケンカしよったんか!!はよ、入って餅でも食うて、休めよー』

師走 祖谷
おじいさん、おばあさんのご満悦の笑い声
息子二人の咳払い
ゴンタの無駄吠え

優しい師走の時間が、四人と一匹を包んでおりました。
てをとり
もんてきたかえ~
祖谷を愛する全ての皆々様
お帰りなさい~~
とりあえず、もんてこいや~
コケ・コッコ~♪
草 々











コメント
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