冷たい強風が吹き込んで、体感温度はかなり寒い、登り坂のなかほどの
谷あいに一本の猫柳がある、そんなに大きくないがなんとなく愛らしい表情のなかに
少しずつ芽が出始めていたが、時を得て、芽吹きが全体に始まってきた
しばらくすれば、芽も大きくなり陽射しをともなって銀色に輝いて楽しませてくれることだ
なんでもない日が限りなく続いて、あるなんでもない時になんでもなく芽吹きだして
最高にたのしい日だよね
自然の木がなんでもない時間を過ごしてなんでもない日々を楽しんで
気の遠くなるなんでもない年月の末になんでもなく死んでいくって面白いことだよね
なんのためにじゃなく、それ自体がなんでもなく楽しければ最高だよね
ぼくのこれからの時間もなんでもない日々でもなんでもなく楽しいが、ベースに
なってなんでもない楽しい人生を抱きしめてなんでもなく終われば最高だね
雪解急広ごりをりて山太し