中央区も自殺予防のなお一層の取り組みを小中学校の頃から実施することが必要です。
******朝日新聞20181104*******
https://digital.asahi.com/articles/DA3S13754068.html
自殺予防、子どもの時から学ぶ 「つらい気持ち言葉に」教材を開発
2018年11月4日05時00分
若い世代の死因として自殺が高い割合を占めるなか、学校で自殺予防教育=キーワード=に取り組むための教材が、相次いで開発されている。「教室では扱いづらい」、「教え方がわからない」――。そうした声を受け、インターネット上でも公開している。
9月、学校での自殺予防教育のプログラム「GRIP(グリップ)」が書籍(新曜社)と同社のホームページで公開された。開発したのは、臨床心理学が専門の立命館大の川野健治教授と新潟県立大の勝又陽太郎准教授ら。GRIPは、「学校教育の中で抵抗力・回復力を段階的に備え、足場を作る」という英文の単語の頭文字から取った。
めざすのは「つらい気持ちを言葉にし、周りに打ち明けやすくする」こと。クラス全体でステップを踏んで学び、大人への相談につなげるように導くのが特徴だ。道徳、総合学習、保健体育などの時間を想定し、発達に応じて小学校高学年~大学生向けを提示した。
授業では5時間をかけて、自分の感情に気づく▽「むかつく」「独りぼっち」など嫌な気持ちから回復する対処法を知る▽友人らに気持ちを伝える方法を学ぶ▽友人の話の聴き方と、信頼できる大人へ相談する大切さを学習する、というステップを踏む。
「気持ちを伝える」では笑顔や涙、困り顔など5種類の顔の「表情カード」から一つ選び、班で話し合う。大学生が自らの自傷行為について友人に相談する動画を見て、どう対処するか、シナリオを考える項目もある。
埼玉県志木市では、川野教授らを招き、全8小学校の高学年で実践した。4年前の実践当時に校長だった磯真砂子さんは「心が苦しくなったときの対処法や相談の仕方を、子どもたちが体験的にわかりやすく学べた」と語る。ただ「継続するには年間指導計画に位置づけるなど準備が必要」と課題も挙げる。
川野教授は「つらいとき、自殺以外の対処があることを学び、学級全体を相談しやすい環境に変えるプログラム。ぜひ学校で試してほしい」と話す。
■自治体も取り組み
自治体でも、子どもの自殺予防教育に関わるプログラムや教師向けの資料を作成している。
東京都教委は2月、足立区の実践を参考に、「SOSの出し方に関する教育を推進するための指導資料」を作成。都内の全公立校にDVDを配り、ホームページでも公開した。初等、中等、高等編に分け、動画とワークシート、指導案がセットになっている。
動画を見て、「つらい気持ちになったら」「友達がつらそうなとき」の対処法を話し合う。教師から「少なくとも3人の大人に相談しよう」と呼びかけ、外部の相談窓口一覧を子ども全員に配る。養護教諭や地域の保健師ら、複数で授業をすることを勧めている。
北海道教委も道内の大学教授らの助言を得て3月、「児童生徒の自殺を予防するためのプログラム」を作り、道内の公立中学・高校・特別支援学校に配付、ホームページにも載せた。年間の教育課程に位置づけ、中学や高校で9時間ほどかけて取り組む。特徴は、「ストレス対処スキルの育成」として「楽観的に考え直す」「将来に目を向ける」など四つの力を身につけさせ、独自のチェックシートで検証もできるという点。担当者は「誤った情報が多い中、正しい知識を身につけ、相談したり助けを求めたりするようになってほしい」と話す。
文部科学省と厚生労働省は8月末、全国の教委や担当課に通知を出し、教材例を紹介している。(上野創)
◆キーワード
<学校での自殺予防教育> 厚生労働省によると、自殺は2013年以降、10~14歳の死因で2位。15歳以上は39歳まで5歳刻みの年代別では全て1位だ。こうした結果も踏まえ、16年の改正自殺対策基本法は、親や地域と連携しつつ、「困難な事態」「強い心理的負担を受けた場合」の対処法の教育に取り組むよう学校に求めている。
******朝日新聞20181104*******
https://digital.asahi.com/articles/DA3S13754068.html
自殺予防、子どもの時から学ぶ 「つらい気持ち言葉に」教材を開発
2018年11月4日05時00分
若い世代の死因として自殺が高い割合を占めるなか、学校で自殺予防教育=キーワード=に取り組むための教材が、相次いで開発されている。「教室では扱いづらい」、「教え方がわからない」――。そうした声を受け、インターネット上でも公開している。
9月、学校での自殺予防教育のプログラム「GRIP(グリップ)」が書籍(新曜社)と同社のホームページで公開された。開発したのは、臨床心理学が専門の立命館大の川野健治教授と新潟県立大の勝又陽太郎准教授ら。GRIPは、「学校教育の中で抵抗力・回復力を段階的に備え、足場を作る」という英文の単語の頭文字から取った。
めざすのは「つらい気持ちを言葉にし、周りに打ち明けやすくする」こと。クラス全体でステップを踏んで学び、大人への相談につなげるように導くのが特徴だ。道徳、総合学習、保健体育などの時間を想定し、発達に応じて小学校高学年~大学生向けを提示した。
授業では5時間をかけて、自分の感情に気づく▽「むかつく」「独りぼっち」など嫌な気持ちから回復する対処法を知る▽友人らに気持ちを伝える方法を学ぶ▽友人の話の聴き方と、信頼できる大人へ相談する大切さを学習する、というステップを踏む。
「気持ちを伝える」では笑顔や涙、困り顔など5種類の顔の「表情カード」から一つ選び、班で話し合う。大学生が自らの自傷行為について友人に相談する動画を見て、どう対処するか、シナリオを考える項目もある。
埼玉県志木市では、川野教授らを招き、全8小学校の高学年で実践した。4年前の実践当時に校長だった磯真砂子さんは「心が苦しくなったときの対処法や相談の仕方を、子どもたちが体験的にわかりやすく学べた」と語る。ただ「継続するには年間指導計画に位置づけるなど準備が必要」と課題も挙げる。
川野教授は「つらいとき、自殺以外の対処があることを学び、学級全体を相談しやすい環境に変えるプログラム。ぜひ学校で試してほしい」と話す。
■自治体も取り組み
自治体でも、子どもの自殺予防教育に関わるプログラムや教師向けの資料を作成している。
東京都教委は2月、足立区の実践を参考に、「SOSの出し方に関する教育を推進するための指導資料」を作成。都内の全公立校にDVDを配り、ホームページでも公開した。初等、中等、高等編に分け、動画とワークシート、指導案がセットになっている。
動画を見て、「つらい気持ちになったら」「友達がつらそうなとき」の対処法を話し合う。教師から「少なくとも3人の大人に相談しよう」と呼びかけ、外部の相談窓口一覧を子ども全員に配る。養護教諭や地域の保健師ら、複数で授業をすることを勧めている。
北海道教委も道内の大学教授らの助言を得て3月、「児童生徒の自殺を予防するためのプログラム」を作り、道内の公立中学・高校・特別支援学校に配付、ホームページにも載せた。年間の教育課程に位置づけ、中学や高校で9時間ほどかけて取り組む。特徴は、「ストレス対処スキルの育成」として「楽観的に考え直す」「将来に目を向ける」など四つの力を身につけさせ、独自のチェックシートで検証もできるという点。担当者は「誤った情報が多い中、正しい知識を身につけ、相談したり助けを求めたりするようになってほしい」と話す。
文部科学省と厚生労働省は8月末、全国の教委や担当課に通知を出し、教材例を紹介している。(上野創)
◆キーワード
<学校での自殺予防教育> 厚生労働省によると、自殺は2013年以降、10~14歳の死因で2位。15歳以上は39歳まで5歳刻みの年代別では全て1位だ。こうした結果も踏まえ、16年の改正自殺対策基本法は、親や地域と連携しつつ、「困難な事態」「強い心理的負担を受けた場合」の対処法の教育に取り組むよう学校に求めている。
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