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「バックアップデータは行政文書」 政府見解に識者反論

2019-12-10 23:00:00 | 情報公開請求、公文書管理
 公文書保存は、公正な民主主義を維持する上で、根幹です。

 バックアップデータが公文書であるという重要な見解があり、中央区含め行政機関の対応に期待したいため、見ておきます。



*******朝日新聞*******
https://digital.asahi.com/articles/ASMD5342PMD5UTFK001.html

「バックアップデータは行政文書」 政府見解に識者反論


野平悠一 2019年12月5日12時09分


 国の税金を使って首相が主催する「桜を見る会」の招待者名簿をめぐる問題で、2017年12月の公文書管理法のガイドライン改定に携わった元公文書管理委員会委員長代理の三宅弘弁護士が4日、朝日新聞の取材に応じた。三宅氏は、名簿のバックアップデータは「行政文書ではない」とした政府見解に、真っ向から反論した。主なやりとりは次の通り。

 ――桜を見る会をめぐる問題で、改めて公文書管理のあり方が問われている。

 「政府は『招待者名簿のバックアップデータは行政文書ではない』という説明をしているが、原本の紙媒体や電子データがなくなった時点で、バックアップデータが法律上の行政文書になる。政府の認識は全くの間違い。公文書管理についての正しい理解がない」

 ――原本がなくなったら、バックアップデータを含む「写し」が情報公開の対象になるというのは、ガイドライン改定に携わった方々の共通認識か。

 「情報公開法の行政文書の組織共用性や公文書管理法の文書保存義務の趣旨から当然の理解だ」

 ――残された電子データが行政文書になると判断された事例は。

 「電子データを行政文書とする時代の新しい問題だが、『ない』とされた電子データが後に公開された南スーダン国連平和維持活動(PKO)と自衛隊イラク派遣の日報問題がある。紙と電子データが廃棄された時点で、バックアップデータは、役所内に管理されたデータで業者の通常のマニュアルにより復元できるのだから組織共用性のある行政文書だ。電子文書の時代における、『健全な民主主義の根幹を支える国民共有の知的資源』『将来の国民に説明する責務』(公文書管理法1条)を考えないといけない」

 ――国会議員から招待者名簿の資料要求があったとき、内閣府幹部がバックアップデータも含めて「廃棄した」と説明したことについてはどう考えるか。

 「行政監視の観点からもバックアップデータを残しておかなければいけないのは当然だ。『でも、バックアップデータはあります』と説明すべきで、それを『電子データを廃棄した』というだけの説明は、役人としてやってはいけないことだ」

 ――菅義偉官房長官は会見で「ルールに基づいて廃棄した」と繰り返し、行政手続きとして問題がないことを強調しているが。

 「菅氏が言っているのは誤った解釈だ。ガイドラインを改定したのは我々だ。我々は、いかにして、『1年未満の保存文書』を口実にした抜け道がつくられないようにしようかと思い、取り組んできた」

 ――政府は、行政文書の定義の一つに「当該行政機関の職員が組織的に用いるもの」というのがあり、今回の文書はそれにあたらないので行政文書ではないと説明している。

 「重要な文書の原本である紙や電子データを誤って廃棄してしまうこともありえる。その場合は、記録しておいたバックアップデータを原本として共用していかなければならない。電子文書時代のバックアップデータとは本来そうしたものだ。政府の解釈は成り立たない」

 「国会議員から資料要求が来ているのなら、バックアップデータであっても出さなければならない義務が発生する。国政調査権の本旨を考えれば当然のことだ。仮に個人情報だから出さないというのならそれでもいい。ただ、国会議員から資料要求があった時点で、仮に役所側が1年未満の保存文書と考えていたものだとしても、重要な取り扱いをするべき『歴史的公文書』として扱い、用済み後廃棄とはしないで国立公文書館に移管する。30年後の公開でもいいから、のちに歴史家が安倍政権の功罪を検証できるようにしないといけない」

 ――保存期間の問題もある。

 「保存期間は1度見直さないといけない。それは本来、公文書管理委員会で取り扱うべき問題だ。保存期間1年未満に、どんなものを入れ込んでいるのか精査する。適当でないものがあるならば、それを1年以上の保存期間にすることを公文書管理委員会の権限として行わないといけない。今回、独立公文書管理監と、内閣官房の公文書管理の責任者の姿がみえない。17年のガイドライン改定だけでは不十分で、安倍晋三首相も一時、視野に入れていたが、やはり公文書管理法の改正が必要だ」

 ――防衛省の日報隠蔽(いんぺい)や森友・加計学園問題で公文書管理が問題となり、三宅さんらの元でガイドラインが改定された。それでも今回、問題が起きた。なぜ公文書管理の問題が繰り返されるのか。

 「歴史に残る長期政権だが、残念ながら政権のトップである安倍首相と菅氏に公文書管理の正しい理解がない。役人も忖度(そんたく)して同調しているようにみえる。本来、政治家は役人が忖度しようとしたときに『バックアップデータを廃棄するな』と止めないといけない。政治家の見識の問題だ。国立公文書館には、昭和の時代の招待者名簿は保存されている」(野平悠一)
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