「このはし渡るべからず」、「毒まんじゅう」、「屏風の虎」などなど、一休さんのトンチ話は昔なら誰でも知っていました。 今の子供は“一休さん”という名前自体を知らないのではないでしょうか。
去る6月30日夜、フジTVで、有名な子役の鈴木福君が演じる「一休さん」が放映されました。福君のあまりにもかわいらしい一休さんに頬が緩みっぱなしで、話はわかっていますが、トンチで大人をキリキリ舞いさせるたびに、懐かしさがこみあげてきました。 全体としてほのぼのとしたストーリーですが、母親との別れのシーンは涙が出てしまいます。
配役も絶妙で、特に、和尚役の中村梅雀は本物の和尚が出てきたような雰囲気です。なんとも言えない亡羊とした話し方、身の処し方に驚嘆するばかりです。この一休さんのドラマは禅宗の寺・僧侶・坊主が舞台になるだけに、人生について含蓄深い言葉・場面が展開されます。何時の時代でも良いものは良いのですね。 家族で必見のドラマです。ロケは、栃木県太田原市にある「黒羽山 大雄寺(くろばねさん だいおうじ)」で行われたようです。
<例:その一>
和尚 (中村梅雀)
雨降らば降れ。風吹かば吹け。 雨が降ろうが風が吹こうが 人はみな悩み多きこ の世とそうしたもののないあの世の間で 一休みしておるだけなのだから。あせら ず、じっくりと、 自分の道を行けばいいじゃ。
新右衛門 (成宮寛貴)
この世とあの世の間で一休み。 まさに、「一休」でござる。
一休 (鈴木福)
この世とあの世の間で一休み。あわてない、あわてない。 一休み、一休み。一休み したら、また歩きだせばいいんだよね。
<例:その二>
一休の母 (安田成美)
遠く離れていても、離れはしないもの。なんだと思いますか?
一休 (鈴木福)
それは、心です。たとえ遠く離れていても、離れはしないもの。 心はいつも寄り添
っています。 離れていても、離れはしません。
<例:その三>
将軍・義満 (東山紀之)
目に見えずとも感じるものは何か? ・
一休 (鈴木福)
目に見えずとも感じるもの、それはしあわせ。そして、痛みです。
(番組ホームページ)
http://www.fujitv.co.jp/ikkyu-san/index.html
(福ちゃんの歌う主題歌「みんなの一休さん」)
http://www.youtube.com/watch?v=xceOoyLFdoY
(画像)

(20012年7月2日 花熟里)