首都圏の鉄道各社が15%の節電対策の一環として車内の冷房温度を例年より2度引き上
げて28度にしていたが、15%節電のめどがついたこと、及び乗客の健康に配慮して、従
来の23度~26度に戻す動きが広がっていると新聞で報じられています。
現在でも節電対応の冷房にしているのは、東急電鉄(終日28度)、小田急電鉄(12時~15
時のみ28度)の2社で、JR東日本は6月30日から、他の私鉄各社も既に例年の23度~26度に
戻しているようです。 理由の一つに、「乗客の健康に配慮して」とあるのが、いまひと
つよくわかりません。従来は車内の冷房温度が低すぎて、体調を崩す方がいたと思いま
す。車内の冷房温度が28度で暑過ぎて体調を崩すのでしょうか。単に、快適さの問題だけ
の様な感じがします。
今まで、電気を湯水のごとく利用して来た快適な生活を見直し、電気も有限だという意識
を持ち、さらに、上手な節電が経費の節約にもなると言うことに気づく、よいきっかけだ
ろうと思います。この意味では、車内の冷房温度を元に戻し、快適にしてもらうと言う鉄
道各社は旧来の考えに囚われているのではないかと思います。
今回の節電の動きは、すべて気几帳面な日本人の行動がよく見られ、行き過ぎた面があり
ます。中高年の方々にとっては、かつて経験した辛抱に比べるとなんでもないという意識
があるようで、黙々と節電に取り組んでいるようです。 被災地の方の御苦労を考える
と、エアコンをつける気にならない言う方を私自身で目にしています。
梅雨明けしたこれから、健康のためにもエアコンを上手に利用しなければなりません。
『節度のある工夫した節電』を心がけるべきと思います。
本日(7月13日)の朝日新聞の社説を見て呆れてしまいました。
「提言 原発ゼロ社会」として、14~15の2頁にわたり「脱原発、核燃料サイクル撤退、
自然エネルギー促進、送電網の分離」などを述べています。1頁の要約の中で、『現在は
54基ある原発のうち35基が既に休止しており、8月までさらに5基が検査で止まる。この
状態であっても、私たち一人一人の節電努力でこの夏の需要最盛期を乗り切れたなら、か
なりの原発はなくても大丈夫であることを証明したことになる。』と述べています。国の
失政が原因で節電が実施されているものであり、産業界に罰則付きで強制されていること
を全く無視して、“個人の節電努力だけで原発不要が証明される“と論じています。
これから本格化する猛暑日でも、国民に対してこのまま節電を黙々と実行しろと言い、熱
中症患者が激増することなど原発撤退の前には些細なことのようです。また、企業が操業
形態を変更してなんとかして節電義務をクリヤーしているものの、今後の電力不安のため
に生産拠点の海外移転などを強いられる可能性のあることなどは、全く触れていません。
国内には企業が不要とでも思っているのでしょうか。雇用不安・失業者激増なども原発撤
退の前には些細なことのようです。
今は、福島原発事故の影響で脱原発(卒原発?)のムードが蔓延していますが、エネルギ
ー供給と需要の在り方を含めた国家戦略を政治家、公務員には構築してもらわなくてはな
りませんが、国民も単に一時のムードに流されることなく冷静に考え、意見を出し合う時
期に来ていると思います。
(2011年7月13日 ☆きらきら星☆)