花熟里(けじゅくり)の静かな日々

脳出血の後遺症で左半身麻痺。日々目する美しい自然、ちょっと気になること、健康管理などを書いてみます。

「原子力規制委員の国会承認を見送ったのは野田総理、あなたですよ!」

2012年12月12日 17時04分06秒 | ちょっと気になること
16日の衆議院選挙の投票日が近づいてくるにつれて、新聞などでは当落予測の記事が目につくようになりました。 自民党が大勝、逆に民主党は惨敗との記事がほとんどで、これに焦っているのか、民主党による自民党への攻撃が激しくなってきています。与党と野党とでは、選挙への取り組みが異なるハズです。 民主党には政権与党としての矜持を持っていただきたいし、党首である野田さんには現職の総理大臣としての品格を損ないかねない野党党首と錯覚させるような言動を慎んでほしいと願っています。

「野田首相:敦賀原発「許可したのはどこの政権か」 自民批判」という大きな見出しで、反原発の毎日新聞(12月11日)が、原子力規制委員会の有識者会合が原電・敦賀原発2号機直下に活断層がある可能性を示したことを報じています。

脱原発を掲げる民主党としては、選挙終盤戦で「転がり込んで来た玉手箱」に映ったのでしょうか。首相の舌鋒がますます鋭くなってきました。
「(自民党政権では)原発行政の規制と推進が経済産業省に置かれていたが、民主党政権になって、独立性の強い原子力規制委員会を作った。その結果として。活断層ではないかとの見通しが見えてきた。 同2号機設置を認めた自民党政権に責任がある。と強調した」(日本経済新聞:12月11日)

野田総理が、ここぞとばかり意気込むのは止むをえませんが、今回の原子力規制員会の判断の根底には、敦賀原発設置後に活断層の定義が変されていることも忘れてはなりません。

「日本原電には、活断層の基準が変わったことへの不満もある。敦賀1号機の設置許可が出た1966年には浦底断層が学術的に活断層と認知されていなかった。78年につくられた旧耐震指針は5万年前以降に動いた断層を活断層としていたが、2006年に12万〜13万年前以降に変更。さらに規制委は40万年前以降に広げる意向だ」(日本経済新聞:12月11日)

日本原電からは、規制委員会あてに公開質問状も出されており、今後の対応が注目されますが、 今回の敦賀原発に関する判断は、新たな原子力規制員会を象徴することになりそうです。  福島原発事故の教訓から、旧原子力安全委員会と旧原子力安全保安院を再編して、「原子力規制委員会」ができたのは、民主党政権の大きな功績に間違いありません。 自民党政権下では不可能だったと思われます。 

しかし、規制委員人事の国会承認を身内である民主党内の反発で見送りにしたのは、大失態といえます。 野田総理は何としてでも、規制委員人事を国会に提出すべきでした。 自分たちで作った法律に決めてあることを守らないで発足させた不完全な形の組織が、廃炉につながる国家の重要事項を判断してよいのでしょうか。 もし、衆議院選挙の結果、新政権が規制委員人事をやり直した場合には、現規制委員会が進めている業務はどのように評価されるのでしょうか。

さらに、「原子力非常事態である」との解釈から、規制委員人事の国会承認なしという不完全な形で発足させました。では、民主党が発した「福島原発事故の終息宣言」はなんだったのでしょうか。 現在も原子力非常事態とする理由、事故終息宣言との兼ね合い、非常事態宣言解除の条件を明確に国民に示す義務があります。 


野田首相:敦賀原発「許可したのはどこの政権か」自民批判
(毎日新聞 12月11日)
「野田佳彦首相は11日、千葉県市川市の街頭演説で、原子力規制委員会の有識者会合が日本原子力発電敦賀原発(福井県)2号機直下に活断層がある可能性を示したことに関し「あの断層の話は1970年代から指摘されていた。82年に設置許可したのはどこの政権か」と述べ、自民党政権を批判した。
首相は「(自民党政権では)原発行政の規制と推進が経済産業省に置かれていた。一緒では中途半端で、独立性の強い原子力規制委員会を作った。その結果として分かったことだ」と指摘。同時に、政権交代の成果として「今まで隠されていたことが明らかになった」と強調した。
断層が活断層かどうかの認定に関しては「最終的には規制委員会の本体会合で決める」と説明。敦賀原発の再稼働や廃炉の可能性については言及しなかった。」


敦賀原発の活断層「自民政権に責任」 首相
(日本経済新聞:12月11日)
「野田佳彦首相は11日、千葉県市川市での街頭演説で、原子力規制委員会の評価会合が日本原子力発電敦賀原発2号機の直下に活断層がある可能性が高いと判断したことに関して「断層の話は1970年代から指摘されてきた。同2号機を法律に基づいて設置許可したのはどの政権だったのか」と述べた。同原発の設置を認めた自民党政権に責任があるとの認識を示した発言だ。
首相は「事業者任せにしてこういうものをつくってきた。活断層ではないかとの見通しが見えてきたのは民主党政権になってからだ」とも強調した。ただ、再稼働の判断は「最終的には規制委の本体会合の議論で決める」と述べるにとどめた」

(2012年12月12日 花塾里)

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