花熟里(けじゅくり)の静かな日々

脳出血の後遺症で左半身麻痺。日々目する美しい自然、ちょっと気になること、健康管理などを書いてみます。

「原子力OBが福島第一原発の収束作業に参加申し出」

2011年08月10日 16時45分07秒 | ちょっと気になること

福島第一原発事故の収束作業に従事している現役の技術者や作業者の被曝を少しでも肩代

わりしたいとして、60歳以上の原発の技術者や技能者のOBが、社団法人「福島原発行動

隊」を立ち上げ、7月に現場調査を行ってきましたが、8月3日に「退役技能者・技術者等

の福島原発事故収束作業への参加に関する提案」を政府の細野原発担当大臣や東電関係者

に提出したと、日刊工業新聞(8月10日版)で報じられています。記事によれば、申し入

れ・提案内容は概略次のようです。

(1)OBメンバーは、福島第一原発内及び周辺20㎞圏内での高濃度放射線汚染地域での

   ガレキ処理や環境汚染モニタリング活動へ参加する。

(2)事故収束には廃炉までの長期にわたる作業が必要なことから、OBメンバーへの国に

   よる健康管理体制の整備と労災保険の対象とすること。

(3)廃炉・長期にわたる汚染廃棄物の保管管理に向けた事故収束を東電だけでなく、設

   備メーカ、ゼネコン出身メンバー、工程・品質管理の専門家を統合した国家プロジ

   ェクトチームにすべき。

この「行動隊」には、60歳以上のOBが既に約500人が参加しており、賛同者からの寄付も

900万円を突破しているとのことです。


福島第一原発事故作業者の被曝が明らかになるにつれて、新規作業者の確保が困難になっ

ていくと思っていましたが、「OBの行動隊」には実際に原発プラントで作業した経験者、

設計に従事した方が参加されているようであり、大変心強く思います。OBの方々は、過去

に自分たちが安全と信じてきた原子力発電所が、想定外とはいえ甚大な事故を起こし、

しかも、作業者のみならず、地域住民に被曝という事態が発生したために、やむにやまれ

ぬ思いから、「行動隊」を発足させたものと思います。原子力OBの皆さんの申し出や提言

を、政府と東京電力は真摯に受け止めて、受け入れ態勢を整備するなど早急に実行に移し

て頂きたいと切に願っています。




日刊工業新聞( 2011年08月10日)

[福島原発行動隊、事故収束へ提言-国家プロジェクトで]

『技術者・技能者OBが立ち上げた社団法人「福島原発行動隊」の山田恭暉代表は9日、都内で会見し、政府と東京電力に対し福島第一原発内および周辺20キロメートル圏内での高濃度放射線汚染地域でのがれき処理や環境汚染モニタリング活動への参加を申し入れたことを明らかにした。 また廃炉、長期にわたる汚染廃棄物の管理保管に向けた事故収束を東電だけでなく設備メーカー、ゼネコン出身メンバー、工程・品質管理の専門家を統合した国家プロジェクトチームとするべきとの提言を行った。 元住友金属工業エンジニアの山田代表は、「原発事故収束作業における若年者の被ばくを高齢者が肩代わりする」とし、今月3日に細野豪志原発事故担当相および東電の石崎芳行原子力・立地本部副部長、山下和彦福島第一安定化センター総合計画部長に「退役技能者・技術者等の福島原発事故収束作業への参加に関する提案」を提出したことを明らかにした。』



日刊工業新聞( 2011年07月07日)

[技術・技能者OB集団、先発隊を福島原発へ-9月にも収束作業開始]

『福島第一原子力発電所事故の収束作業を志願している技術者・技能者OBのボランティア集団「福島原発行動隊」(発起人=山田恭暉氏)が10日、現地に向け出発する。 住友金属工業のエンジニアだった山田氏や元東芝の原発プラント設計者ら5人が11日と12日の両日、先発隊として現場調査を行う。山田氏は「本格的な作業は9月にも始めたい」としており、現地調査後、本格作業に向けた政府・東京電力との調整に入る。
 同原発の収束作業は難航、高い放射線下での人手不足も深刻化している。「我々は年齢的にも放射線量の害も少ないし、自分たちは実際にプラントの設計や製造を経験している」と、懸命の復旧作業を続ける若者を見かねた山田氏の呼びかけで7月6日現在、60歳以上の技術者・技能者OBら430人が集まり、賛同者からの寄付も663万円に達した。』



(2011年8月10日  花熟里)

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