蕎麦喰らいの日記

蕎麦の食べ歩き、してます。ついでに、日本庭園なども見ます。風流なのが大好きです。

醸蔵  神楽坂

2011-09-17 21:16:50 | 日本料理
醸蔵と書いてカモゾウと読む。地酒の種類が実に豊富である。


まずはお通し。かつおの煮たものに、白髪ねぎ。


スズキにカンパチを注文。
魚の管理は素晴らしい。もしかすると、少し寝かせたのかもしれないが、味が実に濃厚に感じられる。


蓮根と海老すり身の、揚げもの。
蓮根はかなり厚めに切ってあるが、そこへ惜しげなく海老のすり身が詰められている。これでも、お酒がどんどん進んでしまう。


タコの焼き物。
揚げものよりは、大分軽めの一皿。


最後は、おむすびで締めた。


龍潭寺  滋賀県彦根市

2011-09-16 22:55:12 | 古民家、庭園
龍潭寺には2つの有名な庭がある。1つは方丈南面の「ふだらくの庭」と呼ばれる石庭。もう1つは、方丈北側に伸びる書院庭園の鶴亀蓬莱庭園。


ふだらくの庭は、四十八の石により観音菩薩の浄土をかたどったもの、だという。


禅寺の石庭にしては、非常に写実的な印象を受ける。
作庭は江戸というが、昭和35年に復元工事がなされており、必ずしもオリジナルの姿を残してはいないのかもしれない。




お寺の中はひっそりと静まり返り、他に参拝者もいない。
石庭に向かうには、非常によい環境であった。




書院東庭は、江戸期の作庭の姿をよく今日に伝えるように見えた。
玲龍の池を中心に、背景の急斜面に巧みに石を配置するする姿は、いかにもと納得できる。




池の一番左手には、見事な涸滝も見られる。






庭の細部も、実に魅力的に思う。



鮎茶屋 かわせ  滋賀県長浜市

2011-09-15 22:39:24 | 日本料理
琵琶湖の捕れたての鮎を食べさせるお店は噂には聞いていたのだが、以前訪ねた時は場所がわからなくて、今回初めての来訪となった。


しっかりと生きていて、時々ピキッと動く鮎を塩焼きにする。


席には電気ロースター(上面から熱するタイプ)が設置され、焼き具合はお客が調節する。
鮮度が素晴らしいので、焼き過ぎないようにしたが、それが正解だったようだ。ともかく、香りが素晴らしい。


から揚げの具合は、実に素晴らしい。


稚鮎の天麩羅は、頭から丸ごと。この風味が堪らない。
鮎の腸はウルカに加工されるが、それ以前の素材の状態でも、見事な味わいがある。


締めは、鮎雑炊で。
これだけでも、事情が許せば日本酒の二合位は軽そうだ。
やはり、出汁は重要である。


ご馳走様でした。

安楽寺  滋賀県長浜市

2011-09-14 21:33:08 | 古民家、庭園
琵琶湖北部までの道のりはそれなりにあり、太陽が照りつける昼近くの到着となった。


元々は、藤原不比等の別荘であったという。大津方面から舟で訪れるのが便利な土地であったようだ。
13世紀に開山されるが、1570年の姉川の合戦で寺社は焼失し、その後彦根藩主、伊井家により再建される。


作庭時期は諸説あるようだが、江戸時代の範囲に収まりそうに思う。


不動石を中心とした山水回遊式鶴亀庭園であるが、江戸よりもさらに遡る作庭であれば不動石は庭の頂上の、もっと奥の方に置かれるような気がする。




亀と鶴の対。なんとなく、かわいい姿である。


流石の不動石。人を引き付ける力を感じた。


野村邸  武家屋敷跡 金沢

2011-09-12 23:01:29 | 古民家、庭園
金沢市の中心近く、香林坊のショッピングエリアから路地を入れば、武家屋敷が立ち並ぶ。


維新の武家制度解体で、武家は立ちいかなくなり、今残るのはせいぜい塀と道筋のようだ。


その中で野村家はそれらしい姿を残しているのだが、実は加賀の豪商の建物を移築したもの。もちろん、それでも江戸期の良質の建築である。
格の高い姿を見せるが、武家のものではないようだ。


庭は、武家屋敷の頃の名残を見せるというが、上下二段式の池、それを繋ぐ滝など、近代の匂いがなかなか抜けない。






上の池。石もそれなりに収まった感じで、落ち着いた姿にも見える。


下の池。推測に過ぎないが、武家屋敷時代の庭は、このごく限られたエリアだけだったのではないだろうか。


菊亭  丸の内

2011-09-09 22:39:15 | 日本料理
菊亭は創業60年の老舗。
現在の東京ビルに移転したのは平成17年で、格式ばったお店ではなく実に入り易い構えである。


久保田を冷酒で注文すれば、南蛮漬けのお通しというのも、肩ひじ張らないよさがある。


こちらなら、そんなに大変な事にはならないだろうと、一品で天麩羅をいくことにした。
めごち、香りがよく塩がぴったり。


続いて穴子。これがまた、凄い。半分は塩で、半分は汁でいただいた。
決して高価ではないのに、神経が通る揚げ姿。


このまま、天重に流れようかとも思ったのだが、ちょっと野菜が欲しくなり、もろきゅう。
こういうのをバリバリやりながら、日本酒というのも悪くない。




女将さんは、酒呑みに非常に理解のある方。
今までの注文の方針をちゃんと呑みこんでおられた。「天重」は非常にボリュームがあるのであまりお薦めではない。芝海老ミニ丼がお薦めとの事。
なるほど、よくこちらの事を見ておられる。

丸の内にある老舗で、お酒も二合呑んで、4450円。
これは、ありがたい。


金沢21世紀美術館

2011-09-08 21:40:43 | お散歩
市立の美術館で、1900年以降、特に1980年代以降の作品に焦点を絞って展示する美術館は、日本ではごく限られているのではないだろうか。
また、無料で入れる展示エリアが広く取られ、そのエリアでは原則的に写真撮影が許されているのも、画期的だ。


この作品は、展示室の大きさや建て具の配置に従って作成されている。
伝統的な、額縁に収めて展示室のしかるべき場所に配置する発想とは、全く異なる。
しかし、欧州でも宮廷の壁画とか、一部の教会のモザイクとかは、どちらかと言えばこの現代作品に近い発想で制作されている。


ガラスを多用し、管内と外の仕切りをなるべく感じさせないような建築である。
実際、ここは無料で入れるエリアなので、全くチェックもなくスタスタと入れてしまう。


「市民ギャラリー 2004.10.9 -2005.3.21」 マイケル・リンによる。
よく見れば、置かれているイスの背にも、この作品のモチーフが使われている。


art-ZINEの展示。
これは、不思議な世界。私が付け焼刃の説明を書くより、ちゃんと調べて頂く方が正確でよいのではと思う。


スイミング・プール。
ここまでが無料で入れるギリギリの場所。地下に降りて、プールの水面を見上げるには、入場料が必要になる。


まろうど(2)  神楽坂

2011-09-07 22:07:11 | 蕎麦
本拠地は斑尾高原にある、北信の蕎麦を食べさせるお店。


こちらのお店では、まずは斑尾高原の足元にある飯山の酒、水尾を注文してしまう。


油揚げの蕎麦味噌焼き。いかにも山間の旨いもの、という姿が水尾にとてもよく合うように思う。




締めは、オヤマボクチつなぎの蕎麦。
都会風に洗練された細打ちだが、みずみずしさはなかなか。丁寧な仕事と感じた。


志摩  金沢ひがし廓

2011-09-06 22:30:33 | 古民家、庭園
大手町の武家屋敷から程遠からぬ浅野川を渡れば、花町の面影を残す東茶屋の街並みがある。




格子窓が並び、いかにもそれらしい雰囲気をかもしている。
その中で「志摩」さんは、1820年に建てられた姿をそのまま残しており、内部の見学が可能である。




二階が客間になっており、いくつかの座敷が互いに干渉しないように据えられている。
座敷は、金沢の蒸し暑さを意識して涼しさを感じさせるとともに、芸妓の婀娜姿が生える粋な造りになっている。


客が床の間を背にして座り、その正面の襖を開けば、控えの間が姿を現す。
その控えの間を演舞の場として、琴、三味線、舞などが披露されたという。

今年三百六十日
半在胡姫一酒楼

蜀山人の狂歌を地で行ったような粋人も、そしてそれにつり合った芸妓もいた事だろう。




坪庭を取り囲む二階の廻り廊下から眺めれば、屋根の造りは非常に複雑に入り組んでいる。
御簾の使い方が、いかにも涼しげである。




坪庭を囲む離れの方から、母屋を眺める。
こういう見事な背景があると、ついつい想像力が逞しくなってしまう。


一階の奥座敷は、仏壇などもあり、この廓の主人の居間であったろうと想像される。


この坪庭も、それなりの見ごたえはあった。