ジョルジュの窓

乳がんのこと、食べること、生きること、死ぬこと、
大切なこと、くだらないこと、
いろんなことについて、考えたい。

お料理と鬱

2004-10-05 | 
なんで、どうして、欝だと お料理できないんだろう?
いや、みんなが 欝だとお料理できない、というわけでは ないかもしれないが。

鬱だと 「やる気」がなくなってしまう、という。
けれど 料理なんて、いつだって そんなに「やる気」出して作ってるわけじゃない。
仕方がないから 作ってる、その方が多い。
よその主婦もそうだとは 限らないが。

では 私の場合、なぜ 欝だと 料理ができないか。
私は 姉と 「料理ができない」の話をしていて、それは、想像力が 働かないからよ、
という理由を見つけた。

料理というのは、総合芸術である、なんて
どこかの料理研究家みたいな事は 私には言えないが、
それでも 料理は さまざまな 能力を必要としているように思う。
少なくとも私には必要だ。
特に、想像力。

まず 冷蔵庫に 食材が入ってなければならない。
あまり外出しない我が家では、お買い物は 週に一度の ビッグ・イベントだった。
忙しいと先延ばしになるので、冷蔵庫はカラ、という事はよくあった。
(冷凍庫は メいっぱい詰め込んでおくので、滅多にカラには ならない。)
買い物に行くと、「使う食材」ではなく 「使いそうな食材」を どっさり仕入れる。
これで 冷蔵庫を満たしておき、
料理を作る時に冷蔵庫を開けて、さて、何を作ろうか、と 悩むのだ。
(ただし、夕食時のみ。)

これとこれで 味噌汁を、と 野菜室から 具になるものを 取り出す。
これで 今日の メインディッシュを、と チルドルームや 冷凍室からから 肉や魚を。
冷蔵室あるいは野菜室をもう一度覗いて 副菜になるものを。
その間、頭の中では 出来上がり状態を 想像していて、
結構ぐるぐると 頭を働かせている。
そして 調理に必要な 粉や 乾物を 食品庫から、
イモ類を勝手口(玄関とも言う)から持ってくる。

この味噌汁には ジャガイモをいれよう、いや今日は里芋がいい、
ああ、ぜひ油揚げを入れなくちゃ。
木耳がほしい。
人参の赤を入れよう。
おかずの調理に油を使うときは、味噌汁は あっさりめ。
味噌汁ひとつでも、味や歯ごたえまで 想像している。
切り方、切る大きさで 雰囲気も変わる、どんな風に切ろうか。
味噌を複数使っているときは 混ぜ具合まで、
こんな割合にすると こんな色で、こんな風味で、と 想像して、
おわんに盛った時に こんな風、と想像しながら、
一番美味しそう、と思ったように 決めていく。

おかずもまた然り。
食卓にお皿を並べた時に、美しくと言うよりは 淋しくないように。
めいめいに盛るか。
大皿でど~んと出すか。
付け合せは何にするか。
味付けは、どうするか。

私の好きな料理は しょうゆ味のものが多い。
一生懸命作るほど、田舎料理で 茶色のものばかりになる。
それでも しょうゆ味のものばかりにならないように 気をつける。
砂糖醤油味だけに ならないように 気をつける。
味の組み合わせに気を遣う。

そうすると、
これとこれを 甘辛く煮付けて、
これは おひたしに、
これには醤油をたらさず、塩コショウね。
これにはちょぴっと酢を加えて さっぱりと。
きょうは カレー風味で。
ごま油の風味で。
すりゴマを振って。
おかかをまぶして。
もどしたワカメをそえて。
ゆでたジャガイモを添えたい。
ゆでたマカロニでもいいな。
赤いパプリカはないかな。
トマトを切って テーブルの真ん中に置こう。
ゆでたブロッコリーやアスパラがあったら、きれいだろう。
色の組み合わせも少しはかんがえる。

そうやって お皿の様子、
お皿の乗ったテーブルの様子を
いろいろ 頭の中で 想像して、
「おいしそうだな」と思ったときは、ウキウキと 仕事に取り掛かれるが、
そうでない時は やっつけ仕事になる。
味噌汁の具になれそうなものが ワカメしかない、とか。
何も作りたくならないときは、「え~い、何でもいいや」、と。
おまえら、文句があるなら、食うなよ。

今夜のメニュウを考えながら、私は 想像力を働かせている。
食材・調味料をどう組み合わせるか、 想像しているから 作れるのだ。


(―――料理も、男と女も、国際関係も、「組み合わせ」、これが 大事だ。と思う。)


想像力が働かない時。
食材を前に、何も作れない私がいた。
あちこち 開けて 中を覗いて、
それでも 何も作れない。
どうしていいか わからない。
料理の仕方を知らないのと 同じだった。
こうすればこうなるだろう、と 想像できないからだと思う。
不安で、悲しかった。



お料理を作るなんていう 原始的な作業に、
想像力が必要だなんて、思ってもみなかった。
けれど あらゆる仕事の ほとんどが 
想像力を必要としているはずだ。

こうすれば こうなるだろう、
もっとこうすれば もっとこうなるだろう、
もっともっとこうすれば、こうなってしまうかもも知れない。
そうして 人は 想像力を駆使して、日々 仕事をしているのだ。
想像力を働かせてこそ、クリエイティブな仕事ができるはずだ。
料理も掃除も子育ても クリエイティブな 仕事だったんだ。



想像力が働かない、という事は、重大な欠陥なのだ。
だから 「何もしない」という事は、
その時期の 私にとっては 当然のことだったし、
何もしちゃいけなかったんだと思う。

姉は 一番鬱がひどい時でも、ハーブの手入れだけはできたという。
私は何ができたっけ。
食べることかな。
好きなことだけはできるらしい。
というより、
好きなこと、できることだけを やるべき時なのだろう。

一度はっきりと鬱になって初めて、
ああ、あの時もあの時も 私は鬱だったなあ、と過去を振返って思う。
ああ、今、私は少し うつっぽいなあ、と 感じる。
できることから少しずつやっていく。
少しずつやっていくには、
自分の体を 少し無理して 動かさなくてはならない時がある。
けれど できない時には無理をせずに のんびりやっていこう。
私は わがままが許される、恵まれた環境にある(事が多い)のだから。

6 コメント

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想像力と (mino)
2004-10-05 13:10:45
感謝の気持ちが足らなくなった最近の私です。

自分の好きなことをやっている時は、想像力も他人に対する感謝の気持ちも、多少有るのですが、そうでない時は、想像力も無く、他人に対しても傲慢になりがちです。反省。
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最近は ()
2004-10-05 17:06:53
子供達があまり家で食事をしないので、自分だけの好きな物を作って食べることが多い、予定が変わって食べることになっても、子供用を作らないので(子供と言うにはとうがたっている(笑))勝手に買い置きのものを食べたりしている。



想像力も、忍耐力もなく我が儘に生きている
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またまた納得.. (*さくら猫*)
2004-10-05 21:15:25
ジョルジュさんの文を読んでいると

私もうなずいてしまう事だらけです。

私も欝の波があって..欝モードになると

料理作る気持ちが駄目なんです

料理は上手くは無いけど..作るのは好き

なんです..。でも献立考えるのも駄目に

なっちゃって..。



ジョルジュさんは味付けや盛り付けにも

きちんとこだわってますね

私はその辺は昔からいい加減でした^^;



はっジョルジュさんも

B型なんですね!でも、しっかりしてる^^

私は典型的なB型ですね^^;



とにかくのんびりまったりしましょ♪

これが一番ですよね♪
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みなさん、こんばんは。 (ジョルジュ)
2004-10-05 22:53:22
mino さん、

とりあえず、お料理をしてくれる人に対しては、

感謝! していただきたいです。



風さん、

自分の分しか作らない人は、自分に感謝! して、

バランスのよい食事を 自分自身に 心を込めて

作っていただきたいです。



私自身の反省をこめて。。。



あら、*さくら猫*さん、

B 型でしたか。。。

B型によるB型のためのB型の研究

http://grabby.web.infoseek.co.jp/type_b/index.html

って、ご存知?

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主婦の方々は (ひるてぃ)
2004-10-06 07:45:34
豪いと思います! 料理など全然できない、やらない私からすれば神業です。それが毎日続くわけですから、ましてや体調を崩してる時の大変さは想像すら出来ません。
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ひるてぃさんこそ。 (ジョルジュ)
2004-10-06 09:32:30
いつもやってるから なんとかできるんです。

マンネリと言われようと。

ひるてぃさんこそ、

ステキな写真をいっぱい撮って、ブログに載せて。

ブログは最近にしろ、

写真は ずっとやってらしたのでしょう?

きっとずっと 遊びも仕事も 

頑張ってらしたでしょう?

察するに お子さんを愛してらしっしゃる。

ということは、

疲れていても 子供につきあって

遊んであげたろうし、

やりたくない仕事も 無理して頑張ってこられたでしょうし。

私は やりたくない仕事は、やらなくて 済みますもん。ていうか、やりません。

かわいそうなのは 亭主でござい。

いまもって、なんで癌になったのが 亭主でなかったのか、わかりませーん。
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