ジョルジュの窓

乳がんのこと、食べること、生きること、死ぬこと、
大切なこと、くだらないこと、
いろんなことについて、考えたい。

『スイングガールズ』

2005-11-07 | 考えたこと
テレビで放映のあった、邦画。

東北の女子高生達の話、ということで、
言葉も面白いかなあ、と楽しみにしていた。

言葉の方は
イバラキ弁に似た所もあったので
白石美帆は ラクにセリフが言えたかな?

実家の母と同じ言葉も出てきた。

「~だべした。」なんて。



出演した女の子達が
実際に演奏しているのだそうだ。

音が出ない段階から、
ジャズを舞台で演奏するまで。

4ヶ月間の特訓で
あそこまでできるようになるとは。

「若いってすばらしい」。
やはり 若い人の集中力・記憶力・体力・気力が
あってこその上達だったろうと思う。



ちょうど同じようなセーラー服を着て
クラリネットと格闘していた昔を思い出す。

中学生の時なので、かなり、昔の話。

「空がうまれる瞬間」
tsukimachi-bunkoさんの
吹奏楽と共にあった青春時代のエピソードの数々
(この夏に「五線紙にかけた青春」のタイトルで長期連載!)を
イキイキとした文章で読ませていただいていたので
思い出しやすかったようだ。

高台の上の中学校。
グランドを吹き過ぎる風。
音楽室の前の廊下。
音楽室のにおい。

とは言え、事情ですぐに止めてしまったのだけど。



あきらめずにつづけていた友人。

いつも叱っていた先生。

先生にいつも叱られ、叩かれていた男子たち。

晴れの体育祭での演奏。

それが 一年生、二年生から 三年生になると
明らかに音が変わった。

悔しさ。

続けなかった事への後悔。

確かに彼らは 私にはとてもまぶしくて
もうそばには行けない気がした。

いつもブラスバンドの活動は
気にして見たり聞いたりはしていた。

それなのに
コンクールに出場したと聞いた時には
羨ましさでいっぱいで、
素直には 喜べなかった。



映画の中の女の子達も
若くて まぶしくて キラキラ光っていた。

気力も体力も
決してかなわないけれど
もう年だから、などとは思いたくない。

我慢も根気も経験も
今のほうが 若い頃より数段 勝っている。

彼女達のように
打ち込めるものがあるわけではないけれど
せめて
日々の小さなあれこれに
精一杯の 興味と好奇心と観察力とを持ち続けよう。



『スイングガールズ』の女の子達は
演奏がうまくなるのと同時に
方言もはじけてきて、
それが見ていて(聞いていて)痛快だった。

きょうは、立冬。
冬の野菜は
これから甘みを増して 美味しくなる。