ジョルジュの窓

乳がんのこと、食べること、生きること、死ぬこと、
大切なこと、くだらないこと、
いろんなことについて、考えたい。

田んぼに水が入ったら

2005-06-15 | 昔語り
梅雨入りした途端の中休みで、
連日の夏日。

そんな中、新聞の投稿欄では
‘梅雨’をテーマにしていた。


yyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyy

写真は 5月に撮影したヤマボウシ。
花期が長いのがありがたい、白い花。

いったい いつから咲いていたのか。

今 ようやく終わりになろうとしている。

yyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyy


12日(日曜日)の投稿欄では、
7通の投書のうち、38歳の女性が一番若く、
あとは中高年から。

朝から雨の日は 農作業を休むので
両親が家にいてくれて嬉しかった、と 56歳・女性。

級友が 新しい長靴を 履いて帰ってしまい、
下駄箱に残されていた使い古しのズック靴を 
わざと汚したら・・・と、54歳・男性。

下町の子供は、軒先伝いに行けば 傘などいらず、
軒先を駆けずり回ってあそんだ、
番傘は 重いうえに穴だらけだった、と 
71歳の女性。

田植えの時期には 学校は一週間ほど休みになり、
苗運び、子守、炊事、洗濯、etc.
子供も一人前の労働力として当てにされた、と 
70歳・女性。



触発されて 私もいろいろ思い出したことがある。

新しい長靴を買う、というのは
ちょっとした贅沢だったこと。

田植えの時期には 毎日雨が降り、
母が 軒先の蛇口のところで 雨にぬれながら
鎌を研いでいたこと。

苗代に蒔く種籾を 水に満遍なく浸けて 
発芽させる場所も そこだったこと。

ああ、そういえば そこは 以前は ガチャコンポンプで、
蛇口じゃなくて、手押しだった。

そこが 蛇口になったとき、
従姉妹と一緒に写っている白黒写真がある。

その頃の写真は 記念写真か、
伯父が撮ってくれた物ばかり。

我が家がカメラを買うのは、もっと後だった。



就学前に
農繁期だけの託児所に お弁当を持って通ったこと。

私が小学校に入った後も、
農繁期には 学校が休みになったこと。

家の手伝いをせよ、ということらしかった。

実際、上級生などで 身体も大きい児童は
労働力として かなり アテにされていたようだった。

男子は 野良で、
女子は 台所でも。

いつの間にか 農繁期休みは なくなったけれど、
小学生のころには
『やまびこ学校』の世界は 私の周りに あった。

アニメ『となりのトトロ』にも、サツキの科白に
「田植え休みなんだって。」とあったように思う。



田植えの日は 何日は誰のうち、と決まっていて、
隣組の人たちが みんなでその家に集まる。

苗代で 目にも留まらぬ速さで イネの苗を取っていく。
片手で 一杯一杯に握れる太さの 苗の束になったら、
ワラを くるくるっと巻いて 
余った部分を 巻いたわらに きゅっと差し込んで。

それを一輪車に山盛りにして 田んぼへ。

すでに代掻き(シロカキ)が済んだ田んぼには
筋が引いてあって、
その筋の上に 一定の株間を保って植えつけていく。

おーい、と苗を要求する声が上がると、
おーい、と答えて、
その足元に 信じられないくらいに正確に 
苗をポーンと 投げてよこす。

見ていて飽きなかった。。
(手伝うと邪魔にされた年齢。
 加えて、田んぼに入ると熱を出すのが恒例の私。
 決して、いいつけられた仕事をサボってたわけではナイ。)



母はてんてこ舞いをして、
お茶の時間、お昼の時間、
出来うる限りのもてなしをしていた。

何を食べていたのかは 記憶にないが、
自身の田んぼの田植えなのだから、
そうそう手の込んだものは なかったと思う。

熱いお茶が一番のご馳走?

とにかく、田植えは 大イベントなわけで。



一体どこに書いてあったのか、
トランジスタが 
何とかいう長い名前の日本の会社(現・ソニー)
で発明されたのは 
1955年、とあって、びっくりしたばかり。

私が生まれる前の事だったんだ!

私が小学校の中学年のころ、
トランジスタというのは、こんなにも素晴らしい、と 
擬人的に書いてあるのを 読んだ記憶がある。

なんて、のんびりした 発展だったんだろう。



当地の 駅へ向かう道の端の田んぼに 
ようやく 水が入り、
昨日の朝には 代掻きが始まっていた。

実家のあたりは 昔から 早場米地帯。

子供の頃に 田植えがどんどん早くなっていって、
5月の連休に 田植えを終えるようになった。

今朝は6時ごろから 雨。
いよいよ 本格的な梅雨になるのか。

ちょっとしたきっかけで
思い出す事が どんどん増える、
そんな年代に 私もなったのかなぁ。

メドーセージ

2005-06-15 | なんでもないこと
青が美しい、サルビアの一種。

丈夫な性質らしく、増え過ぎ。

今 雨が止んだので ちょこっと撮影してきた。



去年の今頃は この花の色と
そばに植わったオリーブの 
繊細な灰白色がかった葉とのコンビネーションを
うまく写真に撮って ブログに載せたい、と
思っていたんだっけ。

オリーブは 秋に実をつけたけど、
冬に枯れてしまった。



地面に半分埋め込んだ鉢の下まで
根っこが通ってしまっているから元気なのだと
思い込んでいた。

鉢からようやく息子に抜いてもらった根は
ぐるぐる巻いているだけで
鉢の外には出ていなかった。

苦しい思いをさせてしまったようだ。



愛犬だけは 自分の縄張りが増えて
喜んでいるように見える。

この子にのびのびしてもらえるなら、
もう ここには 何も植えないでおこう。