ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

The Album (Expanded Edition) / Eater

2016年05月29日 | パンク・ニューウェーヴ

The Album (Expanded Edition) / Eater (1977)

オリジナル・ロンドン・パンクの中でもメンバーが特に若いことで知られていたイーター(Eater)。何しろバンド結成時は14-17歳だったらしい。中坊だ。最初に聴いたのはロンドン・パンクの秀逸なライヴ盤「The Roxy London Wc2」にて。彼らのファースト・アルバムは長いこと絶版で、80年代後半に西新宿をうろついていた頃でもオリジナル盤(中古)は一等高い値段が付いていて、店の高いところに飾ってあった。それを思い切って買ったのはまだ学生の頃だったが、当時で「9,800円」(!)だったと記憶している(同様に購入したX-Ray Spexの「Germfree Adolescents」も同じくらいの値段だった)。音楽もデフレなこの時代には考えられないが、LP(クーッ、これも死語か)1枚にい・ち・ま・ん・え・ん…。もちろん貧乏学生当時の事だから清水の舞台から飛び降りるような心境だったはずだ。住んでいた下北沢にはタウンホールに「Wind」というマニアックなレコード屋が一時入っていて、イーターのレアな12インチ・シングル「Lock It Up」(邦題「パンクでぶっ飛ばせ」(笑)・写真下)が高くない値付けで売っていて、一緒だったパンクな友人が狂喜して購入していたことも思い出す。今ではそんなレアだった音源までCDで再発されるようになり、気軽に聴けるようになるのは嬉しくもあり、何だか複雑な気分でもある。

このCDはそのファーストにシングル曲を集めた盤をプラスした便利な1枚。安いなァと思って条件反射で購入してしまったが、家に帰ってCD棚を見ると、ちゃんと同じものが鎮座していたのだった…(涙)(←買って満足してしまい、アナログで持っているのであまりしっかり聴かなかったパターン)。こういうことばっかりしているから、家族に「この山どうするの?」という冷たい視線と「整理する」という無理難題を突き付けられるのだ。それはさておき、ヴェルヴェット・アンダーグラウンド(The Velvet Underground)やTレックス(T Rex)、ボウイ(David Bowie)のカヴァーを含む彼らなりのパンクは、プロダクションこそチープだが、自分が演るんだという音楽衝動や勢いはしっかり捉えられているし、当時はそれがリアルに感じられたんだと思う。またグラム・ロックがパンクに与えた大きな影響をも窺い知ることが出来る。もっと稚拙な印象があったが、こうして改めて聴いてみると楽曲によっては凝った部分もあり、これを中高生位のガキが作ったというのはやはりナカナカのものだ。

ブックオフにて購入(¥750)

  • CD (2015/9/30)
  • Disc : 2
  • Format: CD, Import, Original recording remastered
  • Label : Cherry Red

 


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