ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

Hackney Diamonds / The Rolling Stones

2023年10月25日 | クラシック・ロック

Hackney Diamonds / The Rolling Stones (2023)

2023年にローリング・ストーンズ(The Rolling Stones)の新譜が聴ける奇跡! とうとうストーンズのニュー・アルバム「Hackney Diamonds」が発売になった。先行してPVも発表されていたロックンロール「Angry」、次に発表されたゴスペル・ライクな「Sweet Sounds Of Heaven」はレディー・ガガ(Lady Gaga)とスティーヴィー・ワンダー(Stevie Wonder)をフィーチャー。なかなか強力な2曲で期待が高まっていた。

最近のレコード会社はもうフィジカルな売上は諦めてしまったのか、いわゆるシングル・カットという概念は消滅しそうだし、アルバム発売日ともなるとすぐに全曲ネットで視聴解禁してしまう。これって誰が得するんだろう? 今はネット音源を適法にせよ違法にせよダウンロードして聴くことは簡単だから如実にCDやデジタル音源の売上に影響すると思うんだけれどな。

アルバムは前述の「Angry」で始まる。いかにもバンドがアルバム先頭に選びそうなエネルギッシュな曲。ミック(Mick Jagger)のヴォーカルは相変わらず凄まじい。どうしても彼らの年齢を鑑みてしまうが、もう齢80。恐ろしや、この爺さん達のバイタリティー。加えて何とポール・マッカ(Paul McCartney)をよりによってパンキッシュな曲「Bite My Head Off」に参加させたり、故チャーリー(Charlie Watts)やビル・ワイマン(Bill Wyman)参加曲があったりと話題性も充分。

アルバム全体を俯瞰するとちょっと張り切り過ぎていて聴き疲れする部分もあるけれど、オリジナル・アルバムまでには長いブランクがあったので出来のいい曲を集めたらこういう内容になったんだろう。もちろん文句なんて無い。尺を昔のアルバムぐらいにしたのも小気味良い。「Messs It Up」のようなディスコっぽい曲なんてちょっと面白いし、お得意のカントリー・タッチの曲「Dreamy Skies」などバラエティに富んだ内容。それは「Tubling Dice」だろっていうリフで始まる「Driving Me Too Hard」はご愛敬(笑)。これでもうアルバム製作は終わりかという憶測を呼んでしまった最終曲、バンド名の由来ともなったマディ・ウォータース(Muddy Waters)のカヴァー「Rolling Stone Blues」なんてちょっとやり過ぎだぞっ(←ミックはその説を否定)。

70年代初めに「一番早く死にそうなアーティスト」でぶっちぎりのナンバー・ワンだったキース(Keith Richards)がここまで長生きしてギターを弾いているなんて誰が想像したろう。先頃シークレット・ギグも行われ、ツアーの話、そして次のアルバムの話も沸き上がっているというから嬉しい。

amazonにて購入(¥2,162)

  • Label ‏ : ‎ Geffen Records
  • ASIN ‏ : ‎ B0CH3PH7DB
  • Disc ‏ : ‎ 1

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4 コメント

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satisfaction 💘 (ムンドリ)
2023-10-26 21:34:43
★★★★★excellent!!

80才爺様たちがやってくれました。予想を遥かに超えた素晴らしい作品ですね。

>フィジカルな売上は諦めてしまったのか...

ほんとそう思う。
CDケースに挟まってるのは写真1枚もない歌詞カードのみ。改行も行間もない読みづらい歌詞のみの面白みのないもの。1万円のBOXセットを買えというのか‥Angry!
だからパッケージの出来は★poor

まあ楽曲の内容がいいから許そう。48分で12曲が、ちょうどいいね。ヘビーローテーションです。
Unknown (ハリー)
2023-10-26 21:59:26
ムンドリさん、こんにちは。

いやぁ、本当にイイ感じですねー。チャーリーのこともあって「ビガバン」から間が空いてしまったのが
悔やまれますが、これはメンバーも感じているようですね。それでもちゃんと復活するのが凄い。

>パッケージの出来は★poor

ホント。このジャケの良し悪しは時代が答えを出したりするのかもしれませんが、自分的にはやはり★1つ。
ま、ストーンズに関しては70年代だって今ひとつなアートワークが多いのですが(笑)。もっと老いた姿を
晒してもいいと思うんですがねー。

なんにせよまだまだ活動しそうですから、近い将来必ずやって来るXデーまで突っ走って欲しいです!
こんにちは (ミュウ)
2023-11-12 15:49:05
遅まきながら、ストーンズの新作聴いています。
まさかの新作ですね。しかもけっこういいです。
まだ、現役だったのか?と驚きました。
最近のライブ画像を見ると、ミックもキースもしわくちゃですが、まだ元気です。
(アングリーのプロモーション・ビデオが若いところの映像とセクシーな若い女の子なのは、やはりヴィジュアルにはこだわりがあるからかな?)
キースなんて、ドラッグで、すぐ死ぬんじゃないかなんて若い頃言われてましたけど・・・。
年を感じさせないパワーを見習いたいと思います。

この人たちを見てると、引退とか隠居という言葉は関係ないなぁ。

そういえば、来日予定のミュージシャンをチェックしてたら、イエスとクリムゾンで有名なドラマー、ビル・ブラッフォードが来年来日します。74才です。元気な人は元気ですね。
こっちも元気にならなきゃっていう気持ちになります。
Unknown (ハリー)
2023-11-12 19:28:55
ミュウさん、こんにちは。

いつも様々なジャンルのロックの愛ある記事、参考にさせていただいてます。

>アングリーのプロモーション・ビデオ

本音を言うと、PVではもっと皺くちゃの自分達をさらけ出してもいいのになーと思うんですけどねー。
こういうところだけ自制が効いているというか。ライヴでも収録が決まっている会場では最前列2列
ぐらいははヤラセの若いモデルのお姉ちゃんで占めたりするんですよね、いつも(笑)。

>ビル・ブラッフォードが来年来日

私もとても気になったんですが「ビルが出演するQ&Aセッション」「トリビュート・バンドによるパフォーマンス」
っていうのが何なのかよく分からず、しかも「演奏することはありません」っていうのが…(苦笑)

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