ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

ボブ・ディラン @名古屋・愛知県芸術劇場・大ホール

2023年04月21日 | ライヴ(日本公演)

ボブ・ディラン (4月18日 名古屋・愛知県芸術劇場・大ホール)

栄にある愛知県芸術劇場で行われたボブ・ディラン(Bob Dylan)の来日公演、名古屋初日へ。実は日本最終公演もチケットを買っていたが、都合により行けなくなり人にあげてしまったので、残念ながら観られるのはこの公演のみ。彼ほどの大物アーティストにあって来日公演は最近だけでも2014年2016年とかなりの頻度(フェス除く)。失礼ながら毎度「これで最後だろう」と思いつつチケットを買っている。にしても凄過ぎないか? もうすぐ82歳だぞ。富も名声も十二分に得ながらこの活動意欲。80年代の終わりから通称「Never Ending Tour」と呼ばれるくらい間断なくツアーに明け暮れるボブ。彼を衝き動かしているのはどういう”欲”なんだろうか。

会場入りしてビックリ。スマホを開封不可の特殊な袋に入れさせられ、双眼鏡の類もNG。アーティスト側の意向だそう。徹底したい気持ちは分かるが、自分は夜でも仕事の電話が入るし、妻からの緊急連絡がある可能性もあるので、会場入りしてしまうと確認出来ず、ヒヤヒヤしてしまった。席は14列目なので見やすいが、この日は3、4階席には客を入れていなかった模様。ま、名古屋で3日間だもの、そんなに入らないわな。客層はもちろん中高年の年齢層が占めている。

定刻を少し過ぎてクラシックが鳴り響き、ボブとメンバーがステージへ。相変わらず素っ気ないセットで、真ん中のピアノにボブが座り、メンバーは彼を囲むように位置を取って演奏中もずっとボブの方を向いて凝視している。これでも東京と比べて暗めだそうだが客席側にライトが当たっているし、ボブへのスポットライトも無いので暗くて表情が全然分からない。いつも使う単眼鏡くらい許してほしかったな。曲は相変わらずボブの崩したアレンジなので、有名曲でも歌い始めて歌詞を聴いて初めて「あぁ、あの曲か」と分かるのはこれまでのツアーと同じ。

にしてもボブのヴォーカルが凄い。本当に80を超えているとは思えない張りがあって圧倒される。素晴らしい歌声! 前回の来日は7年も前だが、その時よりもいいかも。恐るべし。一昨年発売されたアルバム「Rough And Rowdy Ways」が中心なので、さすがにそこに収録された曲は現在進行形のボブによく合っていて、古い曲ももその雰囲気にアレンジされている。というか今のボブが歌いたいように歌うとこうなるという感じ。ボブはピアノを弾きながら、概ね立ち上がって歌うのだが、立ってピアノ弾きつつ歌うってやりづらくないのかな。ピアノに隠れてしまって弾いている手元は全く見えないのだが、かなり強いタッチで鍵盤を叩いていて、荒っぽいし時々外すこともあるが、これがカッコイイ。この日のセットリストには曲順以外概ね他の公演と変わらないが、ツアーを通じて入れているデッド(Grateful Dead)のこの日のカヴァーは「Brokedown Palace」だった(15日は「Not Fade Away」を演ったとか!)。

※この公演の翌日19日にも演ったそうです…(涙)

かつての名曲2曲ではハーモニカも披露。かっこいいからもっと吹いて欲しかったナ。最後のメンバー紹介の他は、3、4回「Thank You!」と言ったくらいで特にMCは無し。アンコールも無しだったが、2時間近く強く歌い上げたボブに感動した。最終公演も行きたかった…。このツアーには珍しくツアータイトルに”World Wide Tour 2021-2024”と終了年の記載がある。これってもしかして…。

 

<Setlist>

Watching the River Flow
Most Likely You Go Your Way and I'll Go Mine
I Contain Multitudes
False Prophet
When I Paint My Masterpiece
Black Rider
My Own Version of You
I'll Be Your Baby Tonight
Crossing the Rubicon
To Be Alone With You
Key West (Philosopher Pirate)
Gotta Serve Somebody
I've Made Up My Mind to Give Myself to You
That Old Black Magic (Johnny Mercer cover)
Mother of Muses
Brokedown Palace (Grateful Dead cover)
Goodbye Jimmy Reed
Every Grain of Sand

 

 


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