ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

両嶋屋是秋 @名古屋市中村区・稲葉地 (※閉店)

2021年02月11日 | 名古屋(中村区・西区 老舗)

前から気になっていた稲葉地にある和菓子屋「両嶋屋是秋」へ。素っ気ない店構えで、暖簾も出ていないので覗いてみないと和菓子屋かどうかも分かり辛い。ただ看板には”両口屋分店”とあるので名古屋の人なら誰でも和菓子屋だとすぐ分かる。もちろん名古屋屈指の老舗「両口屋是清」の分店だろう。話によると大正13年(1924)に創業して現在3代目だとか。確かに店の壁に掛かる額縁の中には大正時代の年号が入ったものもある。戦前は堀川に架かる景雲橋近くに店があったのだとか。店に入るとガラスケースの中には上生菓子が5種類並んでいるのみ。それ以外は全く何も無し。それも2種類の値段が書いてあるだけで菓子の名前も書かれていない。潔し。茶道の盛んな名古屋ではこちらの菓子が茶席に用いられる事も多いのだとか。奥から出ていらした女将さんに菓子を説明してもらい、3種類「みちしわ」「つくしの」「うぐいすもち」をお願いした。

家に持ち帰り、嫁は煎茶を、自分は抹茶を点てて一緒にいただく。「みちしわ」は薄茶色の皮がひび割れていて、中から緑色に仕立てた白餡が覗く饅頭菓子。土から緑が芽生える早春を表現しているのだとか。優しい甘さ。和菓子にはこうやって菓子で少し先んじて季節の訪れを伝える素敵な一面がある。「つくしの」も鮮やかな緑色をした平べったい菓子。表面につくしの絵が焼かれていて中はつぶ餡。粉吹いた「うぐいすもち」はほんのりと緑色をした軟らかい餅の中にこし餡。どれも味として奇を衒ったところは無く、ごくシンプル。故にあんこの出来が肝要だ。文句なしに旨い。自分の素人抹茶もこの日はいつになく上手く点てられたので余計に美味しく感じられた。また少し経ったら季節を先取りしに寄ってみよう。(勘定は¥150/個)

 


 

↓ 中村区中町にある「徳宝荘」(建築詳細不明)。なかなか洒落た外観のアパートメント(というか”下宿”か)。1階は奥まで土間が続き両脇にいくつも部屋がならんでいるので、2階も手前に階段があって同じ構造だろう。そう古くはないかもしれないが、デザインが垢抜けていて脇のシュロの木もいい感じ。戸が開いているから今でも住人が居るのだろう。ちょっと入ってみたい。

 

 

 


 

 

両口屋分店 両嶋屋是秋

愛知県名古屋市中村区稲葉地本通1-25

※店主の体調不良により令和4年9月13日を以って閉店されました

 

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