ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

キラク亭 @愛知県半田市 (※閉店)

2018年10月10日 | 愛知県(三河・老舗)

思い切って遠出して愛知県半田市へ。JRに揺られている途中で仕事の電話がかかってきてしまい、危うく引き返す破目になりそうだったが、何とか電話対応のみで切り抜け、ひと安心。市内の古い建物を愛でに出発。そこで昼食に選んだのが洋食の「キラク亭」。旧国鉄駅に近くてこの店名ならまず間違いなく歴史のある店だろうと店まで来ると、建物は新しくいわゆる老舗の風情は感じられない(後から調べると創業は大正5年・1916だとか)。中の様子は伺えないのでドアを開けて入ってみる。店内にはテーブル席が並んでいるだけでごくシンプル。厨房は仕切られている引き戸の向こうで様子は全く分からない。先客は居なかったので適当に座ると、出てこられたのはご高齢の女将さん。テーブルに置かれたメニューは20種類も無いくらいと少ない。そこで目に留まったのが「ポンコロアー」。自分は結構色々な老舗洋食店を食べ歩いているつもりだが、このメニュー名は初めて。何かさっぱり分からないが、面白いのでスマホでは調べず、ビールと「メンチポンコロアー」とやらを注文してみた。ナイフとフォークが用意され、まずはキリンラガーの中瓶が登場。表裏に「キリンレモン」「キリンオレンジ」と彫られた鉄製の古い栓抜きも置かれた。これは気分がアガる(笑)。そしてまたひとりぼっちに。こちら側はなぜかダンサブルな音楽がかかっているが、あとはガラスも無い引き戸の向こうで音や話し声がぼんやりと聞こえるだけ。心細い(笑)。

そして平皿に盛られた「メンチポンコロアー」が運ばれた。本体は玉子の黄色い衣をまとっている、いわゆる”ピカタ”のようなもの。そこにケチャップがたらされていた。早速ナイフを入れてみる。メンチは薄く平たくされており肉汁が溢れ出る。ミンチと玉子とケチャップという洋食らしい組み合わせなので間違いのない相性。熱々を頬張ってビールで洗い流す。付け合わせは人参の沢山入ったポテサラと千切りキャベツ。ソース(地元半田産の古いソースだそう)も置いてあったので、少し使いながらいただいた。こんな未知の洋食メニューと呑むビールは最高。何か追加しようとも思ったが、もう1本呑むとこの後の予定が台無しになりそうだったので勘定をしてもらった…って声をかけても誰も出てこない。何度大きな声で呼んでもダメで、「食い逃げ…」という言葉も浮かんだが(笑)、仕方なしに引き戸をドンドンと叩いて女将さんを呼んだ。次に機会があれば「メンチボール」と「オムライス」で。(勘定は¥1,300)

 

 


 

↓ 電車で降り立った「JR半田駅」。構内の「JR半田駅跨線橋(旧・国鉄半田駅跨線橋)」(明治43年・1910・建造)は現役で日本最古だとか(※諸説あり)。傍らには煉瓦造りの「旧・国鉄半田駅油倉庫(ランプ小屋)」(明治44年・1911・建造)も建っている。

 

 

 

 

↓ 本町の通り沿いに並んで建つ「同盟書林本店」(昭和8年頃・1933・建造)と、「杉浦八百屋」(昭和8年頃・1933・建造)。どちらも堂々として迫力がある。

 

 

 

↓ 同じ通りにある「油佐商店」(建築詳細不明)。建物脇の路地を奥へ行くと黒塀に緑青が吹いた扉のある渋い蔵らしき建物があった。

 

↓ 通りを更に北上すると装飾がかっこいい看板建築(日本家屋の通りに面した側に商店として洋風な意匠を継ぎ足したような建築)が並んでいる(建築詳細不明)。装飾の一部には共通点も。同じ人が造ったのかしら。

 

 

 


 

 

※2019年5月を以って閉店されたそうです。

 

洋食 キラク亭

愛知県半田市住吉町7-38

 

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