ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

佐和家 @岐阜県中津川市

2018年03月10日 | 岐阜県(東濃・老舗)

昨年に中津川を訪れた際は栗きんとんの季節だったので、ついいつものように栗きんとんを買ってしまったが、次来たら絶対に寄ってみようと思っていた「佐和家」へ。店は以前訪れた和菓子の老舗「松月堂」のすぐ近くの並びにあり、この店も創業が大正元年(1912)という歴史のある店だ(大正5年という説も)。こちらの名物は「からすみ」。メディアにも取り上げられたことがあるので知っている人も多いことだろうが、もちろん海なし県の岐阜県でボラが獲れる訳ではなく、この地域独特の郷土菓子の名前だ。名前の由来は諸説あるようで、昔は各家庭でも作られていたとか。自分も大体のことは知ってしまっていたが、やはり食べてみなくちゃ分からない。ということで暖簾をくぐる。ガラスケースがあるだけの小さな店の売り場には老齢の女将さんがいらっしゃった。ケースの中には何種類もの「からすみ」が並んでいて、説明するにも必ず「ういろう」と比べる言葉が出てくる。でも「からすみ」は米粉だけを使うのだそうだ。一番基本の味は「白ざとう」と「黒ざとう」だとのこと。そのうち「黒ざとう」と「よもぎ」の2本を購入して包んでもらった。

家に帰って包みを開ける。「からすみ」は断面が富士山の形をした型で作られている。「黒ざとう」を適当な厚さに切って口に運ぶともっちりねっとりとした食感。かなり甘くしてあるのかなと思っていたのだが、甘さは強くなく素朴な風味。黒砂糖の風味がしっかりと味わえる。「よもぎ」の方も香りはしっかり。サクで大きいので、女将さんにすぐに食べないなら冷凍庫で保存するといいと言われていた。日を空けてまた食べるとさすがにやや硬くなっている。元々は硬くなったのを食べるという話もあったのだが、女将さんに教えてもらったようにフライパンで焼いて食べてみた。硬さが少し緩んでカリッとした表面の食感が変わり、これはこれで旨い。「よもぎ」には少し醤油を垂らしたりしても楽しんだ。(勘定は「黒ざとう」¥310、「よもぎ」¥340)

 

 


 

 ↓ 前回は近寄って見た「関西電力・賤母発電所(旧・名古屋電灯・賤母発電所)」(大正8年・1919・建造)を対岸から眺める。発電所の資材運搬の為に造られた「對鶴橋(たいかくばし)」(大正8年・1919・建造)を見に行ったのだが、つい最近解体されてしまい橋脚にはシートが掛けられていた(写真3枚目)。残念…。関西電力から市への無償譲渡打診があったのを市が老朽化と利用者の少なさ(そんなの当たり前だろうが…まったく)を理由に断ったのだとか…。

 

 


 

 

佐和家

岐阜県中津川市太田町2-5-30

 

( 中津川 なかつがわ さわや からすみ 唐墨 栗粉餅 老舗 郷土料理 郷土菓子 しずも発電所 対鶴橋 近代化遺産 近代建築 )


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 天むす千寿 (2) @名古屋... | トップ | キッチン千代田 @名古屋市... »

コメントを投稿

岐阜県(東濃・老舗)」カテゴリの最新記事