ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

The Sire Years 1976-1981 / Ramones

2019年12月26日 | パンク・ニューウェーヴ

The Sire Years 1976-1981 / Ramones (2013)

泣く子も黙るラモーンズ(Ramones)のサイア―時代のオリジナル・アルバム6枚組。ロック界に衝撃を与えた76年のデビュー・アルバムから始まり、フィル・スペクター(Phil Spector)プロデュースの「End Of The Century」、政治的な視点が歌詞にも現れた81年の「Pleasant Dreams」まで。彼らのこの作品群(特に3枚目まで)が無かったらロンドン・パンクは生まれなかったろうし、後のアメリカのハードコア・パンクも形を変えていただろう。自分はもちろん後追いなので、すでにロックの名盤という扱いでファーストから全部揃えたが(もちろんアナログ盤)、「1-2-3-4!」という掛け声から始まるその一本調子なスタイル、バブルガム・ミュージックやサーフィン・ミュージックを彷彿とさせるポップな音楽性、Tシャツ、革ジャン、破れたジーンズという”パンク”を定義づけたファッションなど、全てがかっこ良かった。ライヴにも何度か足を運び、お約束連続の金太郎飴の如き、たった60分のステージを楽しんだ。

各CDは紙ジャケットに収納されボーナス・トラックは未収録。新装なのにボーナス・トラックが入っていないことに賛否があるが、自分は大賛成。ラモーンズのアルバムはどれも30分程度のあっけないほどの短さだが、それを一気に聴くことが肝要と信じる。ダラダラと他でも聴けるデモ・テイクや細切れのライヴ音源を聴く必要は無しだ。ギュッと凝縮された2分程度の曲が並ぶ初期はやっぱりサイコー。パンクはのちのセックス・ピストルズ(Sex Pistols)らのロンドン勢も含めて”ロックンロール・リバイバル”という側面を忘れてはいけないだろう。70年代に入ってハード・ロックやプログレッシヴ・ロックの曲がどんどん長く冗漫になりつつあったところに、50年代のような親から「ダメ!」と言われていたロックンロールが(ちょいと粗雑になって)キッズに戻ってきたという感じだろうか。

そんなラモーンズも既にクラシック。初めてラモーンズを聴いた時は10代だった自分もすでに社会人や大学生の子供を持つオッサンだ。メンバーは解散後次々に亡くなり、もうオリジナル・メンバーは1人も存命していない。でもロックが存在する以上、ラモーンズが忘れられることは決してないのだ。

amazonにて購入(¥1,840)

  • CD  (2013/11/5)
  • Disc : 6
  • Format: Box Set, CD, Import
  • Label : Rhino

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