岐阜で”純喫茶”といえば好事家(と言ったら店に失礼か)の間で必ず名前の挙がる長住町の「甍(いらか)」。ただし今となっては”純喫茶”なんていう名称も死語になっていて、郊外型のチェーン系喫茶店全盛。よってどの個人店も現在の店主が辞めてしまったら閉店かという危機に瀕している。こちらにはずっと入ってみたかったが、駐車場がないこともあってなかなかチャンスが無く、この日は用事でたまたま前の道を通ったのでエイヤッとハンドルを切り、近くのコインパーキングへ車を入れた。外の「甍」の文字看板が逞しい店内へ。
店内は揃いの渋いソファや、金貼りの壁紙、ハニカムのパーティションなど造りは凝っていて、テーブルは10席ほど。奥の壁にも”甍”の文字があり、意匠も風格充分。昔の喫茶店って本当に個性的だなァ。先客が居なかったが、待ってみても店内には誰も居ない。大きな声で「こんにちはー」と何度か声を掛けるも全く反応なし…(汗)。するとカウンターの上に「不在の時は子機の内線ボタンで呼び出す」旨の小さいメモ書きが。仕方がないのでやってみた。するとしばらくして奥から女性主人が出ていらっしゃったので、やっとコーヒーを注文。何という緩いシステム(笑)。
音楽もないので、静まり返った店内をゆっくり眺めながらコーヒーを待つ。この店の場所があるJR岐阜駅の北側の場所は繊維問屋街を控えているので往時(昭和30~50年代か)の賑わいはさぞかし凄かっただろうナ(かつて東海地方の人は仕事の打ち合わせや、10時の休憩をモーニングを食べながら喫茶店ですることも多かったのです。今はどうか知りませんが)。しばらくして”甍”の銘のある年季の入った渋いカップに入ったコーヒーと、おまけの豆菓子が運ばれた。コーヒーはきっちり濃いめ。昔ながらの東海地方仕様のコーヒーを楽しんで店を後にした。ランチ・メニューもあったので次は何か食べてみようかな。(勘定は¥380)
純喫茶 甍 (いらか)
岐阜県岐阜市長住町6-4
( 岐阜 ぎふ いらか 純喫茶 喫茶店 ランチ モーニング JR岐阜駅 繊維問屋街 )
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