揖斐川に架かる国の重要文化財「旧・揖斐川橋橋梁」近辺を散策し、昼食に向かったのは長良川沿いの雄総(おぶさ)地区にある中華料理の店「鵝鴨歡(がおうかん)」。とても難しい名前だが「鵝鴨」とはガチョウやアヒルなどの水鳥を指すらしい。名前からしてなんだかすごそう。店の前まで来るが外の看板に付いていた回転灯(中部地方では「営業中」を知らせる方法として一般的)は回っておらず、でも営業中の札は掛かっていたのでドアを開けて中に入る。階段を登り2階へ。マンションビルに入っているのだが造りは本格的。店内は誰も居ないが、広くてモダンな空間でテーブル席は10程もある。どこからか声だけ聞こえてきた。店の中は老齢の主人だけ。窓側の席に案内される。音楽もかかっていないので気まずいくらいの静けさ(笑)。グラスに入った温かい中国茶と共に渡された品書きは品目が絞られている様子。その中からチャーハンとギョウザを注文した。人の好さそうな主人は暖房を入れていないから寒いだろうと電気ストーブを持って来てくれたりと、ゆっくりとだが気を使って下さる。
厨房は見ることが出来ないので調理の音だけに耳を澄ます(というか静まり返ってそれしか聞こえてこない)。しばらくして平皿でギョウザが出された。「ギョウザ」と書かれていただけだったが出てきたのは水餃子。タレの上に乗っかっている。その場で手作りの皮らしく、表面がつるりとしてモチモチの食感で、よく練られた餡と一緒にタレをまとわせて口に放り込む。旨い。タレはラー油も入った少し辛味があるものだが、五香粉の風味もある独特の凝った味付け。あっという間に無くなってしまう。もっと食べたい。そしてまたしばらくしてチャーハンが運ばれた。中には刻んだキャベツや枝豆が入っているのが珍しい。他には乾燥海老の姿も。表面が平らにならされて焼き色が着いていて、味付けは穏やか。全体にはしっとりとしていて旨い。時々口に入るキャベツの芯の食感と甘さが面白い。主人がたった1人でやっている中華料理屋でありながら、料理の様子も雰囲気も、街場の中華とは全然違っていて興味深い。他に昼に出るものは「タンメン」「ヤキソバ」「カラアゲ」「ニクのアマズ」〔ママ〕だけのようだけれど、早くも食べたいゾ。勘定の時に主人から「飴ちゃん」をもらい店を出た。(勘定は¥950)
※閉店されたようです(令和3年1月現在)
↓ 揖斐川に架かる国の重要文化財「旧・揖斐川橋橋梁」(明治19年・1886・建造)。現在は歩行者と自転車専用の橋として使われている。
↓ 元々は東海道本線だったので、現在もすぐ隣にはJRの電車がひっきりなしに通過していく。鉄骨の銘板には製造したイギリスの「Patent Shaft & Axeltree Co. 1885」と入っている。
↓ 橋梁の下を覗くと、橋脚部分は煉瓦造り。130年の時を超えて(歩行者・自転車用とはいえ)現役なのは素晴らしい。
鵝鴨歡(がおうかん)
岐阜県岐阜市雄総桜町3-60
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