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ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

スカー・ピープル / 泉谷しげる

2014年02月16日 | ロック(日本)

Photo

スカー・ピープル / 泉谷しげる (1986)

泉谷しげるが監督した映画「デス・パウダー」公開時に、忌野清志郎をプロデューサーに作った4曲入りミニ・アルバム。バックの面々は後にルーザーとなる仲井戸麗市、吉田健、村上ポンタ秀一、下山淳で(この面子だったとは最近まで知りませんでした)、清志郎自身も演奏やコーラスで参加している。

タイトル曲では泉谷がラップに挑戦している。これ以前から泉谷は映像、絵画など、サブ・カルチャー的な方面に興味を持っていたようで、自身も映画やテレビに俳優として出演したりしているし、音楽面でもニュー・ウェーヴに傾いた時期を経ているので、その成果はともかくなかなか興味深い。もちろん音的にはいま聴くとちょっと軽い。何しろ当時はまだシンセ・エレポップ全盛期だし。1曲目はのちのルーザーとのアルバムで素晴しいヴァージョンに生まれ変わるので、このオリジナルを聴くと完成度はやや低い気がする。野太いロックに生まれ変わったヴァージョンと違い、オリジナルはラグタイム風なのが意外。それでも清志郎のコーラスのインパクトはやはり圧倒的で、ルーザーのライヴにゲスト出演してコーラスをつけた時の音源をFMラジオで聴いた時の感動が甦った。その音源(今は無き芝浦インクスティックでのライヴ)は今でもカセットテープに録音してどこかにあるはず。

CDは長い間廃盤になっていたはずと思ってこれを手に入れたのだけれど、最近名盤「吠えるバラッド」のタワーレコード限定のリマスター再発に際して、ボーナス・トラックとして収録されたそうだ。「いや、いや、それは違うだろーっ」、と嘆くのは自分ばかりではありますまい。録音メンバーが同じなのでそのように企画されたのだろうが、あの完成度の高い名盤のあとにこの4曲が続くのは絶対違うよ。どっちかと言うとメンバーは違っても入れなきゃいけないのは時期的にシングルB面だった「肉弾列車に赤いバラ」だろっ。ただまた分かっていながら手を出してしまいそうで。レコードは問題ないけど持ってる旧盤CDの音には不満だし…。

01 果てしなき欲望
02 スカーピープル
03 NEWビンボー!
04 俺は荒野

オークションにて購入(¥438)

  • CD (1989/8/21)
  • Disc: 1
  • Label: ビクターエンタテインメント
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    半世紀少年(Single) / ユニコーン

    2014年01月31日 | ロック(日本)

    Hanseiki

    半世紀少年(Single) / ユニコーン (2009)

    ユニコーンの2009年発売のシングル。オリジナル・アルバムには未収録の曲。ドラマーで元リーダーの川西幸一生誕50周年を記念して(笑)作られたもの。EBIと並んでグループで最も若く見える川西が一番年長で、もう50とは…と発売当時びっくりした覚えがある。自分よりちょっとだけ上の世代なんだけど。そういう趣味があったのかどうか知らないが、このシングルではラップを披露。メンバーのクスクス笑いが聴こえてきそうな脱力感あるジャケットとラップ。でも曲は意外としっかりしていて、好きか嫌いかは別として真剣に遊んでいます。サビになるとちゃんとユニコーン節になるのが面白い。

    もともとおふざけの多いバンドだけれど、再結成してからの彼らは自身が「おっさん」になっている事もあり、余裕があって、見せてやろうなんていう気負いからは開放されたような自然体なのが楽しい。こう言ってはコアなファンには嫌われるだろうが、解散前の彼らの遊びは「こんな風がかっこいい」、「こんな事も知ってる」っていうのを若い女子供に見せつけて楽しむようなところがあり、ちょっと背伸びというか、かっこつけとも思える部分が多少なりとも感じられた。それが微笑ましくもあったんだけど。でも現在の彼らは常時一緒に活動していない事もあり、その辺りの気負いが全く無く、純粋に自分達が楽しんで、周りもいい歳になってきたので同軸で楽しめるような環境になってきたように見える。ライヴ映像でも、オフの映像でも、おっさんのカッコ悪さを前面に出して楽しそう。

    ブックオフにて購入(¥105)

  • CD (2009/10/7)
  • Disc: 1
  • Format: Single, Maxi
  • Label: KRE
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    キャンディ・ハウス、カルチャー、ゲット・アップ・ルーシー / ミッシェル・ガン・エレファント

    2014年01月28日 | ロック(日本)

    Candy_house  Culture Lucy

    キャンディ・ハウス (1996)

    カルチャー (1997)

    ゲット・アップ・ルーシー (1997)

    ミッシェル・ガン・エレファント(Thee Michelle Gun Elephant)の2枚目、4枚目、5枚目のシングルを中古店で見つけたので購入。この頃にリアル・タイムで聴いていたら絶対大ファンになっていただろう。彼らの出す音はいちいちかっこいい。洋楽に慣れた自分のような人間にも、こんな音の日本のロックを聴いてみたかったと思わせるクオリティーの高さがあり、ヴォーカルのチバユウスケのしゃがれた叫び声も、日本のアーティストに特有な変な節回しがなく、ストレートなので聴いていて気恥ずかしさがない。どうして日本のアーティスト(しかも売れてる人)ってあんな気持ちの悪い抑揚をつけて歌うのだろう。たぶんチバユウスケは自分でもその気持ち悪さを感じていたんじゃないだろうか。

    彼らの活動期に聴いていなかったので、彼らが海外活動をしたのかどうかよく知らないが、この音は絶対通用しただろうと思う。ただこういう音にこだわった尖ったバンドが長続きした試しはないので、短い活動期間だったのは仕方のない事だったのだろう(って彼らの歴史を何にも知らずに勝手に書いちゃってますが…)。

    どのシングルも4曲入り。どれも粒揃いでクオリティが高い。特に後ろの2枚は全曲が後に出たベスト盤に収録されているらしい。最初に彼らを聴いたのが「ゲット・アップ~」なので個人的な思い入れはやはりこの曲が一番強い。こんなかっこいい音を出すロック・バンドが日本にいたとは、と後になってから気付いた次第。うーん、惜しかった。リアル・タイムで彼らに遭遇した若者がうらやましい。でもこの音を聴いちゃったら「Jポップ」なんてアホらしくて聴いてられなくなっただろうな。その頃おじさんに足を突っ込んでいた自分はどんな音楽を聴いていただろうか。

    (中古店にて購入各¥105)

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    シングル・マン / RCサクセション 

    2014年01月18日 | ロック(日本)

    Rc

    シングル・マン / RCサクセション (1976)

    嫁:「ねえ、このアルバムって、レコードで持ってたよね」

    私:「うん、持ってる」

    嫁:「ん?CDでも持ってなかったっけ?」

    私:「うん…、持ってる」

    嫁:「え?どうしてまた買ったの?」

    私:「えーっと…(汗)、これは94年再発盤で、実はボーナストラックが付いておりまして…」

    嫁:「どれ……、ん?、でもこの曲…、別で持ってたよね」

    私:「うん、持ってる…」

    嫁:「……じゃ、どうして(怒)」

    私:「えーっと…(汗)、これは数奇な運命を辿った76年の<シングルマン>というRCの名盤に、なぜか清志郎が坂本龍一とコラボした82年のシングルA・B面を強引に追加したという珍盤でして…、その…流れとか、時代を全く考えていない違和感というか…そういうものを…確認というか…何というか……」

    嫁:「………(無言)」

    と、ここまで完全フィクションでお送りしてきましたが(笑)、上の会話で全て言いきった感がある…そういういきさつのCDであります。まぁ、ファンなら誰しも激怒するだろうというこの盤は、ある意味RCサクセションの数あるアルバムの中でも一番の問題盤であるかもしれません。

    アルバム「シングル・マン」は不幸な経緯がありつつも、今ではめでたく名盤という評価が与えられていますが、何をどうとち狂ったのか、この94年再発盤はなぜか上で記したような事になった訳です。これはキティ時代のくくりのベスト盤に、後年東芝から様々な問題で発売されなかった問題作「カバーズ」からの曲が時代を飛んで収録されているものに感じるような「違和感」をも上回る暴挙です。もちろん予想通りのひどい代物でお勧め出来ません。このフォーマットに反対する奴、ポリドールにひとりもいなかったのか。なんでも詰め込めばいいっていう訳じゃない証明ですね。それぞれは「とても良い」んですけどね。

    ライナーにある、

    「このCDは世界的なスタジオ・ミュージシャンを豊富に使用しておりますので安心してご利用下さい。」

    という気の利いた言葉が、タワー・オブ・パワー(Tower of Power)やニューヨーク・フィル(New York Philharmonic)だけでなく、「Ryuichi Sakamoto」をも示していたとは…(笑)。

    01. ファンからの贈りもの 
    02. 大きな春子ちゃん 
    03. やさしさ 
    04. ぼくはぼくの為に 
    05. レコーディング・マン(のんびりしたり結論急いだり) 
    06. 夜の散歩をしないかね 
    07. ヒッピーに捧ぐ 
    08. うわの空 
    09. 冷たくした訳は 
    10. 甲州街道はもう秋なのさ 
    11. スローバラード
    --------------------------------------
    12. い・け・な・いルージュマジック
    13. 明・る・い・よ 

    ブックオフにて購入(¥1,500)

  • CD
  • Disc: 1
  • Label: Polydor
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    the TEARS OF a CLOWN / RCサクセション

    2013年12月22日 | ロック(日本)

    Rc_2

    the TEARS OF a CLOWN / RCサクセション (1986)

    RCサクセション86年8月の日比谷野外音楽堂でのライヴを収録したアルバム。4日間開催されたそうだが、自分はまだこの時は東京に住んでいなかったのでもちろん見ていない。野音でのライヴって体験した事がないが、あの場所で演ったらさぞかし特別な空間になるんだろうなぁ。見た事がある人がうらやましい。ライナーによるとオープニングは「ロックンロール・ショー」だったらしい。何故このアルバムのトップに収録されなかったのか事情は知らないが、「In The Midnight Hour」がオープニングっていうのはやはりちょっとヘンな感じ(演奏の出来はいいです)。なんといってもレゲエっぽくアレンジされた6の「君はそのうち死ぬだろう」が収録されているのが凄い(ライナーの歌詞は割愛されている)。こんな歌を歌えるのは清志郎だけだ。余韻がカットされているのが惜しい。

    演奏のまとまりも清志郎の声もバッチリで、とても調子良さそう。梅津氏のサックスが素晴らしく、野音に響き渡る音を聴けるとさぞかし気持ちいいんだろうなぁ。スペシャル・サウンド・エフェクトとして日比谷公園のアブラゼミがクレジットされている(笑)。こうして聴いてみると、編集されているとはいえ、ライヴ・アルバムはやっぱり1枚ものがいいな。

    *

    *

    短いこの人生で

    一番大切な物

    *

    それは自由

    *

    *

    次の年だったか芝浦かどっかでライヴを見たのだがその時はなぜかしっくりこなかった覚えがある。なんでだったんだろう?

    オークションにて購入(¥)

  • CD (1998/12/9)
  • Disc: 1
  • Label: EMIミュージック・ジャパン
  • コメント (2)
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    39°8' / 泉谷しげる

    2013年12月20日 | ロック(日本)

    Izumiya598

    39°8' / 泉谷しげる (1983)

    泉谷しげる83年の作品。時期的にはAsylumに所属していた頃で、いわゆる80年代ニュー・ウェーヴ的な音作りが特徴。88年にビクターに移籍してルーザー(The Loser)を結成するまでのこの時期は、捉えどころのないアルバムが続き、このアルバムも大物(仲井戸麗市、鈴木さえ子他)が参加している割には、彼の歴史の中であまり顧みられることがない。泉谷が吠えずにしっかりニュー・ウェーヴしているが、バックにまわったムーンライダースの面々に大いに影響を受けたのだろう。

    ただ、そんな(ちょっとお洒落な)泉谷が、これはこれで面白いんだな。この頃の泉谷は映画やテレビで役者としての仕事も多く、自分の記憶の中ではミュージシャンというより、狂気を含んだ特異な俳優としてのイメージが強い。実際、当時まだ彼の音楽をほとんど聴いた事がなかったと思う。そんな強いイメージの彼が、都会的で、キーボード主体の耳障りいい音と重なっているのが興味深いし、いい意味で色々な方面からの新しい刺激を素直に受け止めたんじゃないだろうか。

    印象的なベース・ラインの1は中でも白眉で、後にルーザーでもライヴで取り上げて強力な曲になっている。後を知っている者からすると、このオリジナルはやや大人しくも聴こえるが、もちろんここでのアレンジが元になっているので聴きものだ。相変わらずストレートでない歌詞も健在。

    先に「都会的」と書いたが、泉谷の音楽はまさに、都会に住む、都会の人の(厳密に言えば東京の)音楽だ。実際そこに住んでいる時には、彼の歌う曲の歌詞から、彼特有の狂気や不穏さ、苛立ちというのがダイレクトに感じられるが、田舎にいて聴くと正直ピンと来ない。自分もあれほどハマったルーザーから後にパッタリ聴かなくなったのは、多分東京を離れたからっていうのが大きい。一般の人は泉谷の風貌から(笑)泥臭い印象があるかもしれないが、彼自身は都会から離れて暮らす事って全く出来ない人間じゃないだろうか。

    オークションにて購入(¥598)

  • CD (1994/6/1)
  • Disc: 1
  • Label: ポリドール
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    下郎参上 / 下郎

    2013年12月02日 | ロック(日本)

    Gerou250

    下郎参上 / 下郎 (1991)

    泉谷しげる1991年のお戯れバンド「下郎」。このバンド結成のいきさつは全然知らないし、聴いた事があったのはCMで流れた8ぐらいだった(曲の出来もやはりこの曲が一番だと思う)。彼らの出で立ちから言ってまずコンセプトありき(笑)だったとは思うが、まずメンバーが凄い。

    下泉茂兵衛(泉谷しげる)
    下下淳之介(下山淳…ルースターズ)
    藤下伸之介(藤沼伸一…アナーキー)
    川下恭之助(KYON…ボ・ガンボス)

    濃すぎる…(笑)。この面子だからお遊びといっても音楽的には結構すごくて、コンセプトで縛りはあるものの、曲や演奏にはアイデアが一杯詰まっている(むしろ縛りがあるからと言った方がいいか)。今まで全く聴かなかった事を少し後悔。泉谷の書く歌詞は難解というか、ストレートに意味が感じ取れる歌詞ではないから、こういうコンセプト・アルバムだとお題が決まっているだけに分かりやすいところも普段の泉谷と違う魅力なのかもしれない。検索して初めてライヴ映像を見てみたが、この面子だけあってライヴ演奏もかなり凄い。下山淳のギターもルーザー(The Loser)以上にはじけている。観てみたかったな。

    このバンドの一般的な評価はどうだったんだろう。初期にルーザーを追っかけていた割には、当時このバンドに関心がゼロだったので、その辺の事は全く分からない。このアルバムも買っていなかったんだから当たり前か。

    ブックオフにて購入(¥250)

  • CD (1991/10/21)
  • Disc: 1
  • Label: ビクターエンタテインメント
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    WAO! (Maxi Single + DVD) / ユニコーン

    2013年09月23日 | ロック(日本)

    Unicorn

    WAO! (Maxi Single) / ユニコーン (2009)

    ユニコーンの再結成第1弾シングルの初回限定盤。復活アルバム「シャンブル」からシングル・カットされた表題曲に、再結成の様子を捉えたドキュメンタリーDVDが付いている。アルバムの方にも限定盤には同様のドキュメンタリーDVDが付いていたが、内容は異なる。

    ユニコーンの再結成は全然意外ではなかったが、16年ぶりだったという月日の長さが意外だった。結構長かったんだな。解散時にはメンバーが煮詰まってしまっていて、そんな状況が歌詞にも如実に表れていたが、復活作は月日を感じさせないユニコーン色満載の内容だった。このシングルも阿部義晴がリーダーシップを発揮しただろう、まさにこれぞユニコーンという感じの曲。ただ、このジャケットのジミ・ヘン・コスプレ、女性が多い彼らのファンは本当に分かっているだろうか…。やっさん(横山やすし)やったり、こういう遊びは彼らの真骨頂。

    付属のDVDは海外録音時のユニコーンのメンバーを捉えたドキュメンタリー。ドキュメンタリーと言ってもただ撮り流しているだけだが、解散時にはメンバー間にあっただろう冷めた感じも笑って流せるくらいの「ゆるさ」が印象的。大人になったなぁというところだろうか。とても自然体。ギターの手島をおっさんキャラで定着させるのも、それを受け入れる本人もとても楽しそうだ。もう安くなっているので見ていないファンはぜひ。

    ブックオフにて購入(¥210)

  • CD (2009/2/4)
  • Disc: 1
  • Format: Maxi, Limited Edition, CD+DVD
  • Label: キューンレコード
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    Panic Attack / ユニコーン

    2013年09月05日 | ロック(日本)

    Unicorn_200

    Panic Attack / ユニコーン (1988)

    ユニコーンの1988年発表のセカンド・アルバム。ユニコーンが凡百のバンドと違う才能と面白さを表し始め、奥田民生のヴォーカルがひと味違う事を認識させるに至った記念碑的なアルバム。このアルバムから音楽的キーマンではないかと思う(まだ正式メンバーではなかったが)阿部義晴と笹路正徳が参加して、当時のバンド・ブームのうちのひとつのバンドから大きく飛躍した、というか違う道を歩み始めたと言っていい。

    実はこのアルバムはリアル・タイムで聴いていない。当時のバンド・ブームは面白いムーブメントだとは思っていたが、渦中のバンドのほとんどは見た目と奇抜さから入っているバンドでちょっと冷やかな視点で見ていた。少し上の世代の音楽(YMOとかRCとかフリクションとか)を聴いていた世代なのでとてもアルバムを買うまでには至らず…。このあとで好きになります。

    久々に聴いてみたこのアルバム。もちろんメンバーが若いし、デビューしてまだ2年位なので現在の老成した(笑)バンドと比べても意味はないが、彼らの本質というのはすでにほぼ完成していると思う。1や3で見せる奥田らしいヴォーカル、8はまさにユニコーンならではの世界。アルバム全体の完成度はまだまだだと思うがどこを切っても面白い。

    自分が思うユニコーンの特長は歌詞でいうと「視点の面白さ」、音楽でいうと「混成感」。様々なストーリーを思い浮かばせる主人公(1人じゃない)はだらしのない市井の人だったり、恋に悩む若者だったり、(まだはっきりとは出てこないが)普通の会社員だったりするが、どれもなるほどと思う位まるっきりの本音を吐露しているのに、それまでにはなかった視点からの歌詞だし、音楽は80年代のロック・ポップスからの影響(特に音作り)はもちろんだけれど、ハードな音からアコースティックな音まで他のバンドと比べて振り幅が大きい。ここのあたりはプロデューサー(笹路氏)の影響じゃないかと思うのだが違うかな。

    ブックオフにて購入(¥200)

  • CD (1995/12/13)
  • Disc: 1
  • Label: ソニーレコード
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    サンボマスターは君に語りかける / サンボマスター

    2013年08月09日 | ロック(日本)

    Sambo_300

    サンボマスターは君に語りかける / サンボマスター (2005)

    サンボマスターを最初に見たのはいつだったか。確かテレビでの特集で最近話題のバンドとして紹介されていたのを見たのだと思う。もちろんテレビで紹介されていたくらいだから、随分遅いのだろうが、お世辞にもかっこいいとは言えない3人の若者が、お世辞にも(当時)流行っているとは言い難い熱い叫びをどストレートに歌っているのが印象的だった。へー、こんな奴もいるのかとちょっと嬉しくなった。世間で言う「Jポップ」とやらはアーティストとは名ばかりの、裏方職人に作られた音楽をやっている軟弱な、流行りもの狙いばっかりで、聴くに値するバンドは本当に少なくなってしまったと思っていたのでとても気になった。

    その後音源を手に入れる機会があり、愛聴とまではいかないかもしれないが、けっこう頻繁に聴いているうちにNHKでも特集されるような注目バンドとなっていった。このアルバムが彼らの歴史のどこに位置するアルバムなのかも知らないし、ヴォーカルの子の名前も未だに覚えていないが、どこか女々しい所も感じさせる叫びを馬鹿正直に熱く歌う彼らは、凡百の変な抑揚で歌うヴィジュアル・バンドや、小奇麗でオシャレなバンドよりは説得力があった。このアルバムでは意外にもソウル・ミュージック的下地をも垣間見る事が出来る。もちろん容姿とのギャップがあるからこそ注目されたという一面もあるのは間違いないが、3ピース・バンドならではの力強いシンプルさが歳いった自分には結構まぶしかったのだった。

    中古店にて購入(¥300)

  • CD (2005/3/24)
  • Disc: 1
  • Label: ソニーレコード
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