マダムようの映画日記

毎日せっせと映画を見ているので、日記形式で記録していきたいと思います。ネタバレありです。コメントは事前承認が必要です。

ソーシャル・ネットワーク

2010-11-05 13:45:50 | 映画ー劇場鑑賞

ーソーシャル・ネットワークーTHE SOCIAL NETWORK

2010年 アメリカ

デヴィッド・フィンチャー監督 ジェシー・アイゼンバーグ(マーク・ザッカーバーク)アンドリュー・ガーフィールド(エドゥアルド・サヴェリン)ジャスティン・ティンバーレイク(ショーン・パーカー)アーミー・ハマー(キャメロン&タイラー・ウィンクルボス)マックス・ミンゲラ(ディヴィヤ・ナレンドラ)ブレンダ・ソング(クリスティ・リン)ルーニー・マーラ(エリカ)

 

【解説】

世界最大のSNSFacebook」誕生の裏側を描いた伝記ドラマ。ハーバード大学在学中にFacebookを立ち上げた主人公たちが、一躍有名人となり巨万の富を築くものの、金や女、裏切りの渦に巻き込まれていくさまを映し出す。監督は、次々に話題作を送り出すデヴィッド・フィンチャー。キャストには『イカとクジラ』のジェシー・アイゼンバーグ、『Dr.パルナサスの鏡』のアンドリュー・ガーフィールド、ミュージシャンのジャスティン・ティンバーレイクら注目株がそろう。

 

【あらすじ】

2003年、ハーバード大学の学生マーク・ザッカーバーグ(ジェシー・アイゼンバーグ)は、学内で友人を増やすためのサイトを親友のエドゥアルド・サヴェリン(アンドリュー・ガーフィールド)と共に立ち上げる。サイトは瞬く間に学生たちの間に広がり、ナップスター創設者ショーン・パーカー(ジャスティン・ティンバーレイク)との出会いを経て、社会現象を巻き起こすほど巨大に成長していくが……(シネマトゥデイ)

 

【感想】

試写会に行ってきました。

 

デビット・フィンチャーといえば、あまり一般受けのしない監督というイメージがあって、その監督が青春映画?といぶがりながら見に行きました。

 

やはり、ただの青春映画ではなく、実話なのに切り口鋭い面白い作品でした。

 

ただ「facebook」やソーシャル・ネットワークを知らない人が見て、どうかなあとは思いました。

でも、天才の大学生がITのベンチャー企業を立ち上げた後の軋轢というふうに見ているだけでも、面白いと思います。

 

☆ネタバレ

ある喫茶店でハーバード大学の男子学生マーク・ザッカーバーグ(ジェシー・アイゼンバーグ)とボストン大学の女子学生エリカ(ルーニー・マーラ)が会話しています。

早口の上に話題がどんどん変わって行くマーク。

その話にいささか退屈気味のエリカ。

しまいには、マークがエリカを見下したような物言いになり、エリカは「どうせバカだと思って、あなたとはもうおしまいよ!」と捨て台詞を残して去ってしまいました。

 

頭に来たマークは寮に帰り、自分のブログにエリカの悪口を書いて公開してしまった。

さらに悪のりしたマークは、各寮の名簿をハッキングして女子大生をランキングするサイトを作ってしまった。

そのサイトには短時間でものすごい数のアクセスがあり、とうとう大学のサーバーがパンク!!。

 

この事件は大学で問題となったが、マークはいろんな意味で有名人となった。

天才ハッカーとして、大学のセキュリティシステムを愚弄したものとして。

大学中の女子からは完全に敵視され、エリカからは完全に振られてしまった。

 

でも、その天才ぶりに目をつけたのが、キャメロンとタイラーのウィンクルボス双生児(アーミー・ハマー)。

この二人は、資産家の家柄の上に次期オリンピック候補というボート競技の期待の星でもあった。

この二人とディヴィヤ・ナレンドラ(マックス・ミンゲラ)は、学内での出会いサイトの立ち上げを計画していたので、マークをプログラマーとして迎えようと交渉してきた。

マークは「やる」と言った。

でも、その後の連絡は途絶えがちだった。

 

マークは新しいサイト「フェイススマッシュ」の立ち上げに夢中だった。

サイトの使用料としてエドゥワルド・サヴェリン(アンドリュー・ガーフィールド)が1000ドルを提供し、共同創始者でCFOとなった。

 

マークの立ち上げたソーシャルネットワークシステムは大成功を治め、これから先のストーリーは、マークが訴えられた訴訟の内容として展開して行きます。

 

ひとつは、フェイスブックのアイデアを盗んだと訴えた、ウィンクルボスの双子の兄弟の訴訟。

もう一つは、会社を大きくするときに、CFOの自分を排して、ショーン・パーカー(ジャスティン・ティンバーレイク)と結託した、と訴えたエドゥワルド・サヴェリンの訴訟。

 

どちらの訴えも、マークには理解しがたいことだったでしょう。

マークが人を傷つける意識のないことは、とてもよくわかりました。

マークはただ、自分の夢に向かってひた走っただけのことでした。

 

天才やオタクにありがちな鈍感さやテンネンさをジェシー・アイゼンバーグがうまく演じていました。

ぴったりでした。

 

マークには5億人の友達ができ、世界最年少のお金持ちになったけれど、身近な恋人、親友、仲間を失いました。

 

どこまで実話かわかりませんが、その切り口はとても面白かったです。

「そんなにお金持ちになれるなら、恋人も親友も仲間もいらない」??

まあ、そんな声も聞こえてきそうなくらい、大金持ちですけどねー。

 

2011年1月15日公開予定です。


母なる証明

2010-11-05 13:32:00 | 映画ーDVD

ー母なる証明ーMOTHER

2009年 韓国

ポン・ジュノ監督 キム・ヘジャ(母親)ウォンビン(息子・トジュン)チン・グ(ジンテ)ユン・ジェムン(ジェムン刑事)チョン・ミソン(ミソン)

 

【解説】

凄惨な女子高生殺人事件を皮切りに、事件の容疑者となった息子と、息子の無実を信じて真犯人を追う母の姿を追ったサスペンス。監督は『殺人の追憶』などで国際的に評価される名匠ポン・ジュノ。主人公の母を韓国の母と称される国民的人気女優キム・ヘジャが演じ、その息子を『ブラザーフッド』のウォンビンが演じている。カンヌ国際映画祭でも絶賛されたポン・ジュノ監督の卓越した演出と、兵役後の復帰第1作となるウォンビンの熱演に注目だ。

 

【あらすじ】

早くに夫を亡くして以来、一人息子のトジュン(ウォンビン)と静かに暮らすヘジャ(キム・ヘジャ)。そんなある日、街で殺人事件が起こり、もの静かなトジュンが第一容疑者に。事件の解決を急ぐ警察がトジュンを犯人と決めつけ、無能な弁護人も頼りにならない中、ヘジャは真犯人を捜し出し、息子の無実を証明しようとする。(シネマトゥデイ)

 

【感想】

この作品は、いわゆる「母もの」なんですが、さすが「グエムルー漢江の怪物ー」のポン・ジュノ監督作品。

一筋縄ではいかない!!

単純にお涙ちょうだい、というわけにはいかない。

 

まず、オープニングがへん。

おばさん(キム・ヘジャ)が枯れ野原でゆったりと踊っています。

無表情で。

こんなシーンから始まるなんて、どういうことかしら?

 

このおばさんに役名はありません。

みんながお母さんと呼びます。

お母さんは漢方薬局で働いていて、闇で針治療も行っています。

それというのも、少し知的障害のあるトジュン(ウォンビン)を女手一つで育てているからです。

 

おばさんの人生には、トジュンを溺愛するしかないようです。

幼子に接するように世話を焼いています。

トジュンの親しい友達のジンテ(チン・グ)が、チンピラなのが心配でした。

 

ある日、トジュンが女子高生殺人事件の重要容疑者として逮捕されました。

決め手が「トジュン」と落書きされたゴルフボールというだけで、捜査のずさんさが知れるという感じですが、知的障害のあるトジュンは事件当時の記憶がなく、真犯人にされてしまいます。

 

トジュンの無実を信じる母は、独自の調査に乗り出します。

よくある展開でしょう?

トジュンへの偏愛に狂っている母は、手がかりを求めて右往左往、必死で彷徨います。

ここまでなら同情をさそう、哀れな母のお話なのですが。

 

☆ネタバレ

ようやく目撃者を探し当てて、わかった真相は、やはりトジュンの犯行を裏付ける不利なもの。

母の溺愛は、目撃者を殺害するという方向に働いてしまいました。

 

ところが、またまたあり得ない状況証拠で警察は犯人をでっち上げ、トジュンは無罪放免となります。

 

意識してかどうかはわからないけど、トジュンは事件現場からみつけた、母の殺人の決定的な証拠を母に差し出すのでしたー。

このときのトジュンの表情がなんともいえない!!

賢いのかバカなのかー。

バカを演じているのかもーという気味の悪さです。

 

愚かな母の狂った愛情。

一言で言えば、そういうことですが、見終わった後もぞぞーっとするような、なんともいえない作品でした。

 

このすっきりしない観賞後の気持ちがたまんない。

クセになりそうです。

こうなったら、ポン・ジュノ監督の「殺人の追憶」も見なくちゃ。

 

ウォンビンもキム・ヘジャも演技がうまいです。

韓国映画を見るたび、韓国人は芸能に秀でた民族という感じがします。

 

その演技のうまい人たちに誘われて入って行くポン・ジュノ監督の狂気の世界。

1ショットもムダのない構成もすごい。

すごーく、面白かったです。