マダムようの映画日記

毎日せっせと映画を見ているので、日記形式で記録していきたいと思います。ネタバレありです。コメントは事前承認が必要です。

ジェーン・エア

2012-06-08 10:58:06 | 映画ー劇場鑑賞

ージェーン・エアーJANE EYRE

2011年 イギリス/アメリカ

キャリー・ジョージ・フクナガ監督 シャーロット・ブロンテ原作 ミア・ワシコウスカ(ジェーン・エア)マイケル・ファスベンダー(エドワード・フェアファックス・ロチェスター)ジェイミー・ベル(セント・ジョン・リバース)ジュディ・デンチ(フェアファックス夫人)

 

【解説】

19世紀に活躍した女流作家、シャーロット・ブロンテの代表作を映画化したドラマ。過酷な運命にさらされながらも、持ち前の知性と慈愛に満ちた精神でたくましく生き抜いていく女性の姿を、繊細なタッチで紡いでいく。『アリス・イン・ワンダーランド』で注目されたミア・ワシコウスカが、不幸な境遇をものともせぬ力強いヒロインを好演している。『SHAME -シェイム-』のマイケル・ファスべンダー、『恋におちたシェイクスピア』のジュディ・デンチら、若手実力派やベテランをそろえた共演陣も見ものだ。監督は『闇の列車、光の旅』の新鋭、キャリー・ジョージ・フクナガ。

 

【あらすじ】

早くして両親を失い、孤児院でつらい思いをしながら育ったジェーン・エア(ミア・ワシコウスカ)。家庭教師の免許を獲得した彼女は、ソーンフィールド邸に住み込みながら働くことになる。孤児院時代とは打って変わった充足した日々を送っていた彼女は、それまで不在であったソーンフィールド邸の主人ロチェスター(マイケル・ファスベンダー)と出会う。どこか暗くて冷たい雰囲気に包まれた彼と徐々に心を通わせるようになり、恋に落ちてしまうジェーン。しかし、ロチェスターが抱えていた恐ろしい秘密を知ってしまう。(シネマトゥデイ)

 

【感想】

中学生のときにエミリ・ブロンテ作の「嵐が丘」にはまった私。

それで、ブロンテ姉妹を知り、お姉さんのシャーロット・ブロンテの「ジェーン・エア」も読みましたが、地味で暗い話と思いました。

 

この作品は、予告編で気に入って、楽しみにしていました。

 

冒頭、ジェーン・エア(ミア・ワシコウスカ)が屋敷から逃げて、荒野を彷徨い、牧師館にたどり着いてそこで保護されます。

牧師館にいたのは、牧師、セント・ジョン・リバース(ジェイミー・ベル)とその妹二人。

 

この風景は、まさに「嵐が丘」の舞台となったヒースの茂る荒れ野そのものだと思って、嬉しくなりました。

そして、この牧師館こそ、ブロンテ姉妹の生まれ育った環境そのものでしょう。

 

そして、物語はジェーンの記憶の断片として語られ、時系列が前後しますが、そんなにわかりにくくはありません。

原作は長編でしかも名作なので、そんなに詳しくストーリーを説明する必要もないと思いました。

 

「ジェーン・エア」のエピソードは、私の世代なら、いろんな形で見てきているのではないかな?

少女時代の話を見て、昔、少女マンガで読んだことを思い出しました。

ヒッチコック監督の映画「レベッカ」なんかも、ちょっと「ジェーン・エア」のエピソードを彷彿とさせます。

最近では、松たか子主演で舞台にもなっていました。

 

孤児となり、たったひとりの身寄りの伯母からも疎まれ、孤児院に入れられたジェーンは、そこで心のきれいなヘレンと出会います。

でも、ヘレンは重い病気にかかり、誰にも顧みられず死んでしまいます。

 

そこから、ジェーンは運命を受け入れ、しっかり勉強して成人し、ソーンフィールド邸へ家庭教師として雇われたのです。

たぶん20歳前後の若さでしょう。

 

ソーンフィールド邸の主、エドワード・フェアファックス・ロチェスター(マイケル・ファスペンダー)氏。

ジェーンから見れば、年長で気難しく感じますが、ジェーンは持ち前の聡明さで自分らしさを発揮します。

 

夜中に物音に気づいたジェーンは、起き出して物音を探しに広いお屋敷の中を歩いて行くと、ある部屋から煙が。

そこは、ロチェスターの寝室で、炎が上がっていました。

あやうく難を逃れたロチェスターはジェーンに感謝しつつも、このことは他言無用とと釘を刺します。

 

☆ネタバレ

ロチェスターは、屋敷に友達や恋人らしき人を招きました。

ジェーンは居心地が悪い。

ロチェスターが恋人と結婚すると勘違いしたジェーンは、この屋敷を出て行くことを決心しました。

ところが、ロチェスターはジェーンに求婚。

ジェーンは承諾し、晴れの結婚式の日を迎えたのですが、ロチェスターには結婚できない理由がありました。

 

このあとは、公開したばかりなのでやめておきます。

 

ロチェスターのような強面の紳士が、ジェーンのような小娘に愛を告白するシーン、不覚にも泣いてしまいました。

ロチェスターの人生も、ジェーンの人生も、本当に辛いことばかり。

それでもジェーンには若さという武器がありましたが、ロチェスターには希望さえなかったのです。

あるのはただ後悔と悲しみ。

 

ジェーンは絶望して屋敷を飛び出すけれど(冒頭のシーン)、牧師に助けられ、第2の人生を始めようとします。

でも、第3の人生への選択を迫られたとき、自分の心に従います。

そうすると、道は開けた。

たくさんの犠牲は払ったものの、一番欲しいものは手に入れたという感じです。

 

世界中の誰もが知ってている古典的な話ですが、よく作られていたと思いました。

愛についてのお話は、永久に不滅ですね。

 

19世紀のイギリスの孤児の哀れさ、女性の生き方の難しさ、その中で、自分を失わず努力精進したジェーンの心の強さに、感動しました。