マダムようの映画日記

毎日せっせと映画を見ているので、日記形式で記録していきたいと思います。ネタバレありです。コメントは事前承認が必要です。

それでも恋するバルセロナ

2009-07-03 09:20:51 | 映画ー劇場鑑賞
ーそれでも恋するバルセロナーVICKY CRISTINA BARCELONA
2008年 スペイン/アメリカ
ウディ・アレン監督 スカーレット・ヨハンソン(クリスティーナ)ペネロペ・クルス(マリア・エレーナ)ハビエル・バルデム(フアン・アントニオ)レベッカ・ホール(ヴィッキー)パトリシア・クラークソン(ジュディ・ナッシュ)ケヴィン・ダン(マーク・ナッシュ)クリス・メッシーナ(ダグ)

【解説】
ウディ・アレン監督がスペインのバルセロナを舞台に、四角関係の恋愛を描くロマンチック・コメディー。二人のアメリカ人女性、そしてスペイン人の画家と彼の元妻が、各々の個性や恋愛観のもとに駆け引きを繰り広げる。『マッチポイント』『タロットカード殺人事件』に続きウディ監督作品でヒロインを演じるスカーレット・ヨハンソンのほか、スペインを代表する俳優のハビエル・バルデムとペネロペ・クルスが出演。魅力的な俳優陣に加え、街の風景にも酔いしれることができる。(シネマトゥデイ)

【あらすじ】
バルセロナにバカンスに訪れたクリスティーナ(スカーレット・ヨハンソン)とヴィッキー(レベッカ・ホール)は、画家のフアン・アントニオ(ハビエル・バルデム)に惹(ひ)かれていく。そんな中、彼の元妻のマリア・エレナ(ペネロペ・クルス)が戻ってきたことから、やがてクリスティーナとマリア・エレナにもある感情が芽生え始め……。(シネマトゥデイ)

【感想】
この映画のラストでペドロ・アルモドバル監督の「神経衰弱ぎりぎりの女たち」に似ているなあと思いました。
でも、私はこんなドロドロの男女関係を描きながらも、ウッディ・アレンの醒めた視線が、居心地悪く感じました。

中心になる登場人物は4人。
バルセロナへサマーバカンスを楽しみに来た女子大生、ビッキー(レベッカ・ホール)とクリスティーナ(スカーレット・ヨハンソン)。
ビッキーは完璧な婚約者がいて、クリスティーナは彼と別れたばかり。

ビッキーの知り合いのジュディ(ジュディ・ナッシュ)とマーク(マーク・ナッシュ)夫婦の家にホームステイして、バルセロナの観光を楽しんでいた。

 ビッキー(左)とクリスティーナ


遅い夕食を取りに入ったレストランで、画家の画家のフアン・アントニオ(ハビエル・バルデム)が二人に声をかけて来た。
「1時間後に、一緒に旅に出て、楽しもう。芸術とご馳走とセックス」

彼は最近画家の妻と、新聞沙汰になるような派手な夫婦喧嘩をして離婚したばかりと、ジュディから聞かされていた。

クリスティーナは大乗り気。
ビッキーは「あり得ない」といいながらフアンの操縦する自家用飛行機に乗っていました。

☆ネタバレ
ファンの虜になっていたクリスティーナは、彼の部屋を訪れ、いざベッドインというところで、持病の胃潰瘍が悪化。
あえなく、ダウンしてしまいました。

仕方がないので次の日、ビッキーはフアンに連れられ市内観光へ。
フアンの素敵な父親に会ったりして、二人は急接近、結局一線を超えてしまいました。

バルセロナに戻ってから、クリスティーナはフアンとデートして、すぐに一緒に暮らし始めてしまいました。
複雑な気持ちのビッキー。

でも、婚約者のダグ(クリス・メッシーナ)がバルセロナで式を挙げようとやってきて、二人は結婚式、新婚旅行もすませて再びバルセロナでのバカンスを楽しんでいました。

フアンとクリスティーナの家に、突然元妻のマリア・エレナ(ペネロペ・クルス)が飛び込んで来ました。
行くところがないというので、奇妙な3人の暮らしが始ました。
それが、妙にしっくりいくのです。
二人だと常にぶつかり合うフアンとマリアが、クリスティーナがいると落ち着くのです。
セックスも含めて、完全な関係を手に入れたかのように見えた三人だが、クリスティーナはこの生活に終止符を打つ。
彼女独特の気まぐれか、飽き症なのか、とにかくふたに別れを告げ、バルセロナから去ってしまう。

残されたフアンとマリアはまた大喧嘩をして、マリアが出て行くことに。

フアンはまた、ビッキーに近づく。
ダクへの愛に物足りなさを持つビッキーは揺れる。
マークとの結婚生活にマンネリ気味のジュディは、ビッキーを焚き付ける。

ビッキーがフアンの誘いに乗って、フアンのアトリエでことに及ぼうとしたそのとき、マリアがピストルを持って乱入して来たー
バンバン!!

と、こんな感じ。

ビッキーは、流されやすい性格なのかな?
身近な愛に満足できないのは、なぜかなあ?

クリスティーナはずっと自分探しをして、永久に探せなそうだけど、面白い人生ではあるでしょう。
マリアから受けたインスピレーションで、すごい写真家になるかもしれない。
結局、この一件で得をしたのはクリスティーナかもしれないなあ。

マリアは、多分天才が災いして、情緒不安定のいらつき女になっているんだと思う。
彼女の熱さがアルモドバル風だなあと思いました。

 美しいペネロペ・クルス

フアンは、マリアを愛しているのにうまく愛を伝えられない欲求不満から、女たらしになるのかな?
いくらもてもて男でも、あんな女たちしか愛せないんじゃ、大変だなあ。

ジュディも更年期特有の不安定な精神状態だし、まともな人が誰もいない作品でした。

脚本のト書きみたいなナレーションが続き、なんか、スクリーンの向こうで解説しているウディの顔が浮かんで、あまり好きな作品という感じではありませんでした。

ウディ・アレン監督の最近の作品、「マッチポイント」「タロットカード殺人事件」と気に入っただけに、ちょっとがっかりでした。

それでも、バルセロナは美しい。
ガウディの建築は息をのむようなフォルムです。
ああ、バルセロナにも行きたいなあ。