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★水素ニュース★NEDO、「燃料電池・水素技術開発ロードマップ」の燃料電池分野を改訂、先行公開

2017-12-26 06:35:46 |    ★水素ニュース★

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、水素社会の実現に向けた技術開発の方向性を示すため、「NEDO燃料電池・水素技術開発ロードマップ」の改訂作業を進めているが、このほど燃料電池分野について先行公開した。

 今回の改訂では、産学官が長期的視野を共有して技術開発に取り組むために、2040年以降に達成すべき技術課題の目標値(究極目標)を初めて公表。先行公開する燃料電池分野は、燃料電池自動車(FCV)と、家庭用や業務・産業用の定置用燃料電池などを対象としている。

 今後、水素ステーション、水素発電、Power to Gasの分野についても公開準備を進め、NEDO燃料電池・水素技術開発ロードマップ全体を2018年春に公開予定。

<今回の改訂の主なポイント>

 「NEDO燃料電池・水素技術開発ロードマップ(燃料電池分野)」は、「FCV・移動体」「業務・産業用燃料電池」「家庭用燃料電池」の3つのロードマップから構成されている。

・「FCV・移動体」技術開発ロードマップ

 2040年頃のFCVの普及目標を達成するために、究極目標の数値(最大出力密度:9kW/リットル、最大負荷点電圧:0.85V、作動最高温度:120℃等)を設定した。これらの目標を実現することで、自動車に積載する燃料電池の小型化と高性能化が進み、多数車種への拡大が期待できる。

・「業務・産業用燃料電池」技術開発ロードマップ

 新たなモノジェネ市場へ対応した燃料電池システムの飛躍的な高効率化を目指し、2040年以降の達成性能レベル(小容量(数kW級):発電効率60%LHV以上、中容量(数10~数100kW級):発電効率70%LHV以上など)を設定した。さらに、大量普及に向けた更なる課題として「系統電力への連携・再生可能エネルギー大量導入時のスマートコミュニティに関する開発・実証」「将来的な低炭素化ガスへの対応」、究極目標として「超高発電効率の達成(80%以上)」を記載した。

・「家庭用燃料電池」技術開発ロードマップ

 2030年頃までに530万台の普及台数、5年で投資回収可能なシステム価格である50万円程度を目指し、小型化等による設置工事費の低減や、2040年以降の究極目標として発電効率45~60%LHV以上を設定した。


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