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●科学技術ニュース●京都大学、環境適応電源・デジタル変換半導体集積回路の開発に成功し22ナノで実証、体内で自律動作するIoTの開発へ

2024-07-17 09:40:44 |    電気・電子工学
 京都大学 大学院情報学研究科 新津 葵一 教授、劉 昆洋 同 助教、張 瑞琳 同 特定助教、北池 弘明 同 修士課程学生、田川 宏紀 同 修士課程学生らの研究グループは、涙液糖駆動が可能な0.9ピコワットの消費電力、0.1ボルトの電源電圧で動作する環境適応型電源・デジタル変換半導体集積回路の開発に成功し、22ナノメートル(10億分の1メートル)のCMOSプロセスで実証した。

 低電力・低電源電圧動作を達成するために、電源確保対象とセンシングデータ取得対象が同一のシステムにおいて、入力信号となる入力電源電圧の高低に応じて動作させる要素回路ブロックを自律的に最適化し、低電力化に寄与する手法を開発した。

 環境に存在するエサの量に応じて動作を自律的に最適化するカエルのように、環境適応することで低電力化を実現する。

 具体的には、異なるしきい値の電源電圧を持つ複数の信号駆動回路(バッファ)を搭載し、クロック信号が与えられた際に動作したバッファ回路の数を数えることでデジタル化をする手法を提案した。

 低入力電源電圧の際には少ない数のバッファが動作するため、消費電力を低減させることが可能となり、22ナノメートルの超低リーク電流CMOSプロセスにおいて提案回路の有効性を実証した。

 現在、涙液糖駆動の単独動作可能持続血糖モニターコンタクトやデジタル錠剤、スマートステントなどへの展開を目指している。<科学技術振興機構(JST)>
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