“科学技術書・理工学書”読書室―SBR―  科学技術研究者  勝 未来

科学技術書・理工学書の新刊情報およびブックレビュー(書評)&科学技術ニュース   

●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「ソニー再生」(平井一夫著/日本経済新聞出版)

2021-07-22 09:35:39 |    企業経営



<新刊情報>



書名:ソニー再生~変革を成し遂げた「異端のリーダーシップ」~

著者:平井一夫

発行:日本経済新聞出版

 かつて世界にその名をとどろかせたソニーは、未曽有の危機に見舞われていた――。2012年3月期、5000億円を超える大赤字の中でソニー社長の重責を引き受けた著者は、なにから手をつけ、復活を果たしたのか。同書では、ソニー再生という難題に挑んだ「異端社長」の知られざる歩みを振り返る。キャリアの始まりはCBS・ソニーでの音楽事業。バラバラだったソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)・アメリカを改革し、次にプレイステーション3の販売不振に悩むSCEを立て直す。そしてソニー社長となり、巨額赤字に苦しんだ名門企業を再生。3度のターンアラウンドに成功した「変革のプロフェッショナル」は、異端ともいえるそのキャリアで何を身につけたのか。
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●科学技術ニュース●塩野義製薬とHanaVax社、新型コロナウイルス感染症ワクチンの開発に関するライセンス契約締結

2021-07-22 09:35:09 |    生物・医学
 塩野義製薬と東京大学発の創薬ベンチャーであるHanaVaxは、カチオン化ナノゲルデリバリーシステム(cCHP)1, 2, 3を用いた新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する新規経鼻ワクチンの開発に関するライセンス契約を締結した。
 
 cCHPは、カチオン性コレステリルプルランを用いたHanaVax社の独自のデリバリー技術であり、鼻腔内に投与することで、従来の注射による痛みがなく、感染部位である呼吸器粘膜ならびに全身に対して効果的に免疫を誘導することができる。

 また、医療環境が整っていない新興国では注射による投与が困難な場合があり、医療アクセスの観点から、どのような所でも使いやすい製剤として経鼻ワクチンの必要性が高まっている。

 塩野義製薬とHanaVax社は、2020年、経鼻肺炎球菌ワクチンに関するライセンス契約を締結したが、この度の新たな契約締結により、塩野義製薬は、cCHP技術を活用したCOVID-19経鼻ワクチンの全世界における独占的研究・開発・製造・流通ならびに販売権を取得する。
 HanaVax社は、同契約の締結に伴う一時金、今後の開発の進展に応じたマイルストン、ならびに製品上市後の販売額に応じたロイヤリティーを塩野義製薬より受領する。(塩野義製薬)
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●科学技術ニュース●NIMS、嗅覚センサーと機械学習でニオイのデジタル化と見える化を実現

2021-07-22 09:34:18 |    生物・医学
 物質・材料研究機構 (NIMS) は、限られたニオイサンプルの中で基準となるニオイ「擬原臭 (ぎげんしゅう) 」を選定する技術を、嗅覚センサーと機械学習を利用し開発した。

 擬原臭という新概念を導入することで、様々なニオイを擬原臭として選定された数種類のニオイの混合比で表す「デジタル化」が可能となる。これにより、色のように、ニオイも分解・合成が可能となり、ニオイの記憶、学習、送信、理解、さらには見える化も促進できる技術。

 同研究チームは、世の中にある全てのニオイの中から原臭を定義するのではなく、限られたニオイサンプルの中から基準となるニオイ (ここではこれを「擬原臭」と呼ぶ) を選定する技術を考案した。

 具体的には、収集したニオイサンプルをNIMSが中心となって開発している超高感度・小型嗅覚センサー : 膜型表面応力センサー (MSS) で測定する。

 その測定結果を機械学習で解析することで、ニオイサンプルの中からいくつかの「他から外れたニオイ」を探し出し、それを基準とみなす。

 これにより、様々なニオイを擬原臭の混合比で表すことができる。

 例えば、12種類の調味料を対象とした場合、ナンプラー、料理酒、純水が擬原臭として選定され、醤油や焼肉のたれといった他の調味料は、これらの混合比を変えることで表現される。

 ニオイのデジタル化によって、嗅覚を他の感覚に変換することも可能。例えば、擬原臭それぞれに色を与えることで、様々なニオイをそれらの混合色で表現でき、ニオイの「見える化」が実現できる。

 そのデモンストレーションとして、考案技術を利用し、ニオイをリアルタイムで色に変換する装置を開発した。(物質・材料研究機構 <NIMS>)
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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「データサイエンスのための確率統計」(尾畑伸明著/共立出版)

2021-07-22 09:33:45 |    情報工学



<新刊情報>



書名:データサイエンスのための確率統計

著者:尾畑伸明

発行:共立出版(探検データサイエンス )

 データサイエンスの数理的基礎付けとして確率と統計を学ぶことが同書の目的である。同書は高等学校で学ぶ確率のごく初歩と数学リテラシーを前提とするが、必要に応じて補習すれば十分であろう。同書は確率論の基礎から始めて、推測統計の典型的なテーマである母数の推定と検定を扱う。統計処理の処方箋の提示で終わることなく、理論的な仕組みをできるだけ丁寧に記述することで、より深い理解を期待している。さらに、多変量解析の典型として回帰分析と主成分分析の基本を学ぶ。データを説明するモデルの構築として線形回帰モデルを扱い、構造的な特徴の抽出として主成分というアイデアを紹介する。
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